「踏み込んだ性教育」で、避妊具・性感染防止具メーカーの啓蒙活動を期待したい

2023年5月12日 08:50

印刷

 「踏み込んだ性教育を実施すべきだ」とする、指摘(論)が高まりを見せている。同感。無知程、望まぬ結果を招きかねないからだ。性教育の徹底は望まぬ結果(妊娠や性病感染)の回避に繋がる。具体的に言う。「コンドーム」など避妊具/感染症回避具の存在を知らしめることになる。

【こちらも】コロナと値上げで鍛えられ筋肉質になった、尾家産業の魅力的PB商品&投資戦略

 妊娠に関連する幾多の情報を発信している、コンドーム大手の相模ゴム工業(東証スタンダード市場)の資料を覗いてみた。以下の様な情報に接した。

★「コンドームはいつからあるのか」: 紀元前3000年頃からあったとされる。ヤギやブタの盲腸や膀胱が使用されていたとか。熱帯病や昆虫に陰茎を噛まれたり刺されたりしない保護具としても、使用されていたと伝えられる。

 現在の避妊具・性病予防具としてコンドームが生まれたのは、1874年。日本でも1909年に国産第1号が出現した。が、品質的にはお粗末なものだった。現在のコンドームの主流:ラテックス(ゴムの木の樹脂or樹脂を加工した収縮性の高い薄いゴム)製コンドームが誕生したのは1934年。

★「コンドームの名前の由来」: 諸説あるが有力なのは・・・。イギリスのチャールズ二世(1660年~1685年)のお抱え医師だった、「ドクターコンドーム」という名前が源。当時チャールズ二世は、14人の非嫡出子を作っていた。「この状態が続くと、王位継承問題でトラブルが起こる」という懸念が、王室家をしてコンドーム博士に「避妊具の考案」を命じたという次第だ。作られたのは羊の活かした鞘。コンドームと命名された。

★「コンドームの世界での呼び名」: 日本では「ゴム」とか「アレ」と呼ばれているとされるが、そこには妙なタブー意識が感じられる。「イギリスのレインコート」(フランス)/「penis(ペニス)のシャツ」(ポルトガル)/「グローブ(イタリア)」/「防弾チョッキ(香港)」/「風船(スペイン)」/「愛のグローブ(豪州)」/「淫らな袋(ドイツ)」etc

 避妊具・性感染防止具と一口に言っても、幅は広い。女性用の膣に挿入する「子宮内避妊器具(IUD)」なども含まれる。ある意味で「踏み込んだ性教育」は、女性の具体的な避妊・性感染防止策の拡充に繋がる。国連経済社会局では「2020年の日本人女性の避妊具使用率は約56.6%、30年には62.5%に達する見込み」とし、「その背景には性感染症(STD)への意識の高まりや、意図しない妊娠への危惧がある」としている。

 ちなみに相模ゴム2023年3月期の第3四半期は期初予想に比べた達成率は、「売上高83%、営業利益81%、経常利益1.54倍」。上方修正に踏み込まない理由を「生産地:マレーシアの原材料高騰/円安の先行きが読み込めない」としているが、「販売量は着実に増えている」とする。

 コンドームの販売量増は、「踏み込んだ性教育」と表裏一体と捉える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事