「some」は肯定文で「any」は否定文? 注意したい例外と使い分け方

2023年5月6日 09:00

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 「some」と「any」は英語を習いたての初学者も知っている基本単語だが、実は意外と奥が深いのだ。またどちらも、日本語では「いくつか」と訳されることが多いが、この訳語が常に適切ではないことにも注意したい。そこで、「some」と「any」の基本と、状況や文脈に応じた使い分け方などについて詳しく見ていこう。

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■someの基本

 中学校で「some」は肯定文、「any」は否定文で使うと習わなかっただろうか。基本はそうなのだが、常にそうなるわけでもないので注意しよう。まず、「some」の基本から確認する。

 肯定文での「some」は、不特定の数量や程度を表す際に使われる。

・He has some interesting books.
・She has some important questions.

 また、「some」は疑問文では「any」に置き換えると習ったかもしれないが、これには例外がある。「Would you like some coffee?」のように、疑問文でもオファーや提案の場合は「some」が使われるのだ。

■anyの基本

 「any」の基本の使い方は、否定文で「まったく~ない」を意味するときだ。「He doesn't have any friends.」は「彼には友だちが1人もいない」、「He hasn't watched any movies.」は「彼はまったく映画を見ていない」となる。

 また疑問文では、「any」は「どれか」や「どの」といった意味で用いられる。「Do you have any favorite movies?」と言われれば、どの映画がお気に入りなのか尋ねられているわけだ。

■否定文のsomeと肯定文のany

 基本的に「some」は肯定文で、「any」は否定文や疑問文で使われることが多い。それは確かなのだが、例外があることにも注意したい。

 たとえば「some」の場合、通常は肯定文で使用されるが、部分的な否定や限定的な意味を表す際に、否定文のなかで使用されることがある。以下の例文を見てみよう。

・She doesn't like some vegetables.

 この場合、彼女はすべての野菜を嫌いなのではない。たとえばナスやピーマンなど、いくつかの特定の野菜が好きでないのであって、それ以外の野菜は好きということになるのだ。

 次に、肯定文で使用される「any」を考えよう。この場合、「どんな~でも」や「何でも」といった強調の意味を持つ。

・He can do any job.
・She can learn any language quickly.

 上の文は「彼はどんな仕事でもできる」、下の文は「彼女はどんな言語でもすぐに習得できる」という意味だ。

 上記したように、基本的には「some」を肯定文で、「any」を否定文や疑問文で使うと考えてよいのだが、例外が存在することには注意したい。文脈によって適切な使い方を理解し選択することが、英語力のレベルアップにおいて不可欠となる。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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