3月のバイト時給、求人各社で前年上回る 年度末迎えて人材不足続く

2023年4月15日 10:18

印刷

 求人サイトを運営する各社が3月度のパート・アルバイト時給動向を発表し、全社の平均時給が前年同月を上回り、年度末を迎えて幅広い業種や職種で人材需要が増えていることが分かった。

【前月は】2月のバイト時給、上昇傾向続く 春迎えて多くの分野で人材需要が旺盛に

■アイデムは4カ月ぶりに東西日本とも前年上回る

 5日、アイデムが「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの3月の平均時給は前年同月比33円増の1,132円となり、5カ月連続で前年同月を上回った。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同31円増の1,155円。

 大分類の職種は全て前年同月を上回った。中でも販売・接客サービス職(3月の時給:1,084円、前年同期比:38円増、以下同じ)、事務職(1,129円、58円増)、飲食サービス職(1,069円、45円増)で上げ幅が大きめだった。

 西日本エリアの3月の平均時給は同82円増の1,173円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同152円増の1,204円となり、ともに4カ月ぶりに前年同月を上回った。

 東日本同様に、大分類は全て前年同月を上回った。中でも専門・技術職(1,485円、71円増)、販売・接客サービス職(1,020円、40円増)、飲食サービス職(1,038円、52円増)、製造関連・ドライバー職(1,066円、39円増)で上げ幅が大きめだった。

■ディップは27カ月連続で前年上回る

 12日、ディップが「アルバイト平均時給調査」を発表した。3月の全国の平均時給は前年同月比38円増の1,245円となり、27カ月連続で前年同月を上回った。アルバイト・パートの求人件数は同1.1%増の約30万6,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは、受付・秘書が1,282円(前年同月比:74円増、以下同じ)、テレアポ・テレオペが1,633円(238円増)、オフィスその他が1,631円(386円増)。編集・制作・撮影が1,254円(206円増)、看護・介護が1,680円(427円増)。キャンペーン関連が1,545円(107円増)、イベントその他が1,355円(172円増)、パチスロが1,608円(268円増)。教育・保育が1,305円(201円増)など。

 反対に下がったのは、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,272円(220円減)、SE・PG・エンジニア・運用が1,116円(313円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,180円(244円減)、調査業務が1,357円(135円減)。建築・土木その他が1,221円(350円減)、工場・製造その他が1,192円(105円減)。試験監督・添削が1,721円(119円減)など。

 地域別では関東が前年同月比37円増の1,287円、東海が同38円増の1,201円、関西が同38円増の1,267円、九州が同21円増の1,148円となり、2022年5月以来の8カ月ぶりに全ての地域で前年同月を上回った。

■マイナビは7カ月連続で前年上回る

 13日、マイナビが「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。3月の全国平均時給は前年同月比47円増の1,189円となり、7カ月連続で前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、ホテル・ブライダル・トラベルが1,135円(前年同月比:94円増、以下同じ)、家庭教師が1,765円(215円増)。WEB/グラフィックデザイン・POP制作が1,342円(178円増)、サンプリング・PRが1,548円(104円増)。看護師・准看護師が1,704円(200円増)、薬剤師・登録販売者が1,599円(193円増)。ファーストフード・デリが1,101円(118円増)。テレフォンアポインター・テレマが1,449円(94円増)、搬入・搬出・会場設営が1,928円(439円増)。建築・土木・設備作業が1,470円(220円増)、構内作業・フォークリフト・溶接が1,317円(100円増)など。

 反対に時給が下がったのは、家電量販店が1,248円(106円減)、SE・プログラマが1,381円(125円減)、医療専門職が1,277円(155円減)、ワゴン販売・売り子が1,138円(212円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比79円増の1,056円、関東が同32円増の1,262円、甲信越・北陸が同49円増の1,109円、東海が同48円増の1,136円、関西が同83円増の1,197円、中国・四国が同80円増の1,060円、九州・沖縄が同67円増の1,069円となり、6カ月連続で全ての地域が前年同月を上回った。

■リクルートは23カ月連続で前年上回る

 14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3月の3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比24円増の1,143円となり、23カ月連続で前年同月を上回った。人材不足を背景にフード系の平均時給が過去最高を更新しており、短時間の勤務やまかない付きなど条件を工夫した募集が一般的になっているという。

 職種別で時給が上がったのは、ホテルスタッフが1,170円(65円増)、家事支援が1,153円(61円増)、ファーストフードが1,107円(85円増)、洗い場・パントリーが1,102円(56円増)、管理人が1,144円(56円増)など。

 反対に時給が下がったのはイベントスタッフ(設営・運営など)が1,206円(66円減)、コールセンタースタッフが1,411円(86円減)、営業が1,365円(133円減)、看護師が1,775円(97円減)、家庭教師が1,380円(85円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比16円増の1,182円、東海が同29円増の1,061円、関西が同23円増の1,114円となり、3地域ともに引き続き前年同月を上回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事