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12日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日ぶり反落、テンセント5.2%下落
*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で3日ぶり反落、テンセント5.2%下落
12日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比175.38ポイント(0.86%)安の20309.86ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が83.87ポイント(1.21%)安の6866.50ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1080億9210万香港ドルに縮小している(11日は1268億9540万香港ドル)。
米中の指標発表を前に、買いが手控えられる流れ。米金融政策に影響を与える3月の米消費者物価指数(CPI)は、日本時間の今夜に発表される予定だ。中国ではあす13日に3月の貿易統計、18日に第1四半期の中国GDP成長率や3月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産)などが明らかにされる。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国景気の持ち直し期待が支えだ。前日引け後に公表された3月の中国金融統計では、国内金融機関の新規融資が市場予想を上回った。より広範囲な与信や流動性の指標となる社会融資総量に関しても、予想を大幅に上回っている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント:700/HK)が5.2%安、中国自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が4.9%安、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(9633/HK)が3.9%安と下げが目立った。テンセントについては、筆頭株主による保有株の追加売却方針も嫌気されている。そのほかの大型ネット株も売られ、ハンセン科技(テック)指数は1.9%安と他の指数をアンダーパフォームした。
セクター別では、レストランチェーンや酒造など飲食関連が安い。海倫司国際HD(9869/HK)が6.7%、九毛九国際HD(9922/HK)が4.1%、海底撈国際HD(6862/HK)が3.8%、華潤ビールHD(291/HK)が2.2%、青島ビール(168/HK)が1.4%ずつ下落した。
マカオ・カジノもさえない。永利澳門(1128/HK)が2.6%安、新濠国際発展(200/HK)が3.3%安、美高梅中国HD(2282/HK)が2.5%安、金沙中国(1928/HK)が2.2%安と値を下げた。
他の個別株動向では、自動車メーカー中堅の華晨中国汽車HD(1114/HK)が14.5%安。同社は11日引け後、再編の一環として、仏ルノーとの合弁会社で、経営再建中の華晨雷諾金杯汽車に追加出資すると発表した。そのほか、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が14.9%安。今秋発売見込みの「iPhone15 Pro」シリーズについて、感圧式ボタンの採用が見送られるもよう――などとする観測が流れた。感圧式ボタン用部品の供給が見込まれていた瑞声にとって逆風になると悲観されている。
半面、ゼネコンや鉄鋼、非鉄のインフラ建設セクターはしっかり。中国交通建設(1800/HK)が3.1%高、中国鉄建(1186/HK)が2.4%高、鞍鋼(347/HK)が5.4%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が3.5%高、江西銅業(358/HK)が2.6%高、中国アルミ(2600/HK)が2.6%高で引けた。
一方、本土市場は3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.41%高の3327.18ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が高い。金融株、エネルギー株、不動産株、公益株、素材株、ゼネコン株なども買われた。半面、消費関連株は安い。医薬品株、空運株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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