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SVB破綻の陰で上昇するビットコイン
●ビットコインが9カ月ぶりの高値
仮想通貨(暗号資産)ビットコインが、14日の取引で約9カ月ぶりの高値をつけたとロイター通信が報じている。4日間の上昇率も30%を超えた。
【こちらも】SVB破綻の余波はどこまで及ぶ?
SVB(シリコンバレー銀行)破綻のニュースを受けてリスクオフとなり、一時1BTC=270万円台まで下落したが、米財務省とFRBがSVBの預金を全額保護するニュースを受けて反転した。
週明け20日も上昇し、一時370万円台に回復する場面もあった。
金利がつかないことに加え、マイニングの設備投資に不利になる利上げが嫌気され、さらに規制強化の動きもあり、しばらく逆風が続いていたビットコインだったが、SVBショックでは有利に働くのだろうか?
●気になるステーブルコイン
ビットコインが上昇する中、米ドルと連動するステーブルコインのUSDCは価格を大きく下落させており、ドルとの連動性が外れた。
USDCには担保として法定通貨や国債などの準備金が必要とされているが、その約5分の1(1月末)がSVBに預けられていたことが報道されている。
USDCを発行するサークル社が、SVBが準備金を管理するための6つのパートナー銀行の1つであるとツイッターに投稿したことも、混乱を招いた。
一時、サークルが保管していたUSDCの準備金が引き出せなくなる事態となった。
●SVB破綻がビットコインに有利?
USDCが売られたことで、仮想通貨内では“安全資産”の部類になるビットコインが買われたという説もある。
今回のSVBショックでは、安全資産である国債が買われたが、金利の無い金(ゴールド)やビットコインも買われた。
やはり、政府の影響を受けないビットコインなどの仮想通貨は、金融危機という場面で安全資産として買われやすい側面もあるかもしれない。
一方で、USDCのように金融システムに組み込まれている仮想通貨は、他の金融資産よりも影響を受けやすいだろう。
今回のSVBショックはFRBの利上げ停止の期待感という追い風も吹き、思わぬ形で漁夫の利を得ただけかもしれない。
クレディスイス問題もあり、楽観的な見方は危険である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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