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米病院で発生した非結核性抗酸菌症クラスター、原因は浄水器
記事提供元:スラド
米ボストンの病院 Brigham and Women's Hospital で 2017 年 ~ 2018 年に発生した非結核性抗酸菌症クラスターについて、浄水器の導入が原因であることが確認されたそうだ(Ars Technica の記事、論文アブストラクト)。
この症例では 4 人の心臓手術患者が感染し、3 人が死亡している。患者はそれぞれ異なる時期に、部屋は異なるものの同じフロアに入院していたという。手術室も人工呼吸器もヒータークーラー機器も人工透析器もそれぞれ別のものを使用していたが、患者から採取した非結核性抗酸菌を全ゲノムシーケンシングした結果、同一であることが確認される。調査の結果、3 つの病棟のうち患者の出た病棟の冷水・製氷機のみ患者と同じ非結核性抗酸菌が検出されたそうだ。
この病棟の冷水・製氷機は商用の浄水器が接続されており、水道水を活性炭フィルターと紫外線照射による処理が行われていた。その結果、水道水に添加されていた塩素が検出限界レベルまで除去され、冷水・製氷機内で非結核性抗酸菌が増殖したとみられる。その後、感染リスクの高い患者の飲用水を滅菌水に切り替え、冷水・製氷機の清掃を強化、商用浄水システムの使用も取りやめており、感染者が発生することはなくなったとのことだ。
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