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PBR0.52倍: アイナボHDの株価上昇に「割安株投資の父:グレアム氏」の影を見た!
アイナボホールディングス(東証スタンダード)。タイルや空調など住宅設備機器の販売・工事で首位。2022年9月期の「19.7%増収、0.2%営業減益、25.8%最終増益(過去最高益更新)、8円増配44円配」に続き今9月期も「5.5%増収(835億円)、9.5%営業増益(20億8000万円)、0.2%最終増益(16億5000万円)、2円増配46円配」計画。
【こちらも】増加が指摘される、低PBR企業に関する一考察
前期決算で市場環境を、こう総括している。「持ち家や貸家の新築住宅需要向けは住宅ローンの低金利の影響もあり、比較的堅調に推移。公共投資や民間非住宅投資向けは、コロナの影響を引きずり、総じて厳しい動向で推移」。
今期については「(住宅)金利動向を見定める必要があるが、公共投資等は経済牽引の必要から回復基調」と見込んでいる。計画数字にも、それは読み取れる。
本稿作成中の時価は3月3日に昨年来高値(1051円)をつけ、高値圏の揉み合い。予想税引き後配当利回り3.5%。投資妙味を覚える。と同時に、昨年6月17日の年初来安値871円から9カ月近くを経てジリジリと株価水準を切り上げている状況を、どう読み解けばよいのかに興味を覚えた。
「貴方は、グレアムの『ミックス係数』をご存知か」と、兜町の顔見知りの住人に聞かれた。「感じている?を解くヒントがあるかもしれないよ」とアドバイスを受けた。
グレアム:故ベンジャミン・グレアム氏が「バリュー株投資の父」と称されていたことは耳学問で知っていた。またウォーレン・バフェット氏が「私の大学の師であり、投資の師でもある名投資家」と発信していることも承知していた。
が、グレアム氏がミックス係数なる教えを残していることは知らなかった。氏が自らの経験則から編み出したもので教えのポイントは、「PER×PBR<22.5」。該当銘柄には投資対象として俎上に載せる上で、「安全性」が伴うという。バフェット氏はこの条件を満たし、「過去10年間赤字転落なし」「株価が上昇傾向に入っている」銘柄を個別投資の対象にしているとされている。
アドバイスに沿ってアイナボHDを検証した。本稿作成時点の予想PERは7.36倍。予想PBRは0.52。7.36×0.52=3.8強。かつ10年間に赤字転落はない。そして株価は明らかに上昇トレンド。
私は日本取引所(JPX)が「PBR1倍以下の企業が増加している」とし「如何なものか」と当該企業を恫喝?して以来、0倍台のPBR企業を注視している。グレアム氏のお陰で、低PBR企業を投資対象の俎上に載せる方法を教えてもらった。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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