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日銀の新総裁報道、緩和は継続か?
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●日銀新総裁、雨宮氏に打診報道
ロイター通信などが、黒田東彦日銀総裁の後任人事として、政府が雨宮正佳副総裁に就任を打診したと報じている。
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雨宮氏であれば、黒田氏の路線を継承するとの期待感から、2月6日の日経平均は一時200円近く上昇。ドル円も1ドル30銭ほど上昇し、132円台となった。
政府からは、磯崎官房副長官が会見で「そのような事実はない」と否定した。実際のところは分からないものの、有力候補であることには変わりないという受け止め方が大勢である。
日本経済、マーケットにも大きな影響がある日銀新総裁人事は、いよいよ佳境を迎えている。
●新総裁に注目されること
昨年末に長期金利の上限が引き上げられたが、日銀の緩和政策に限界が近づいているということは、世界共通の認識である。
年明けの日銀金融政策決定会合でも、イールドカーブコントロール(YCC)撤廃のようなサプライズがあるかと警戒されていたが、無風だった。
雨宮氏は黒田総裁ほどではないとはいえ、他の中曽氏などの候補者に比べれば、金融緩和には積極的と言われている。
だが日銀出身ということもあり、事務方と協調的で、円滑に出口戦略へと向かうという期待感もある。
●リスクと期待感
緩和姿勢には安心感もあれば、日銀の国債大量購入による国債バブルの継続には批判の声もある。
米国ではインフレにピークアウトの兆候が見られるが、楽観論は危険でもある。
2月3日に発表された1月の米雇用統計は、当初予想の3倍以上の伸び率となり、期待されていた年内利下げの期待は遠のいたという声もある。
ただ誰が日銀の新総裁になっても、拙速にタカ派への転換と捉えられてしまうと、急速な円高・株価の下落へと誘導するリスクがあり、慎重な姿勢が望まれる。
それでも、新総裁のもとで柔軟な対応へと転換することへの期待感もあり、株価上昇も十分にあり得る。
黒田路線を継続しつつも、緩和の見直しという難題が新総裁に求められ、難しい舵取りが迫られることになるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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