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タウンニュース社の情報紙は、一般紙発行減による利益減を補っている!?
タウンニュース社(東証スタンダード)。神奈川県と東京多摩地域で、無料の情報紙(タブロイド判、2頁から12頁)を発行している。43地区に及び、総部数は209万部を超えている。
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一般紙の部数の減少が顕著になっている。日本新聞協会では2000年には約4740万部だったものが、2021年には約3065万部と約35%減少しているとしている。
皮肉な話とも言えよう。新聞の収入は周知の通り「販売料金+紙面広告料+折り込みチラシ料」。新聞協会でも「部数減が折り込みチラシ減に繋がっている」と説いてもいる。タウンニュース社の情報紙はタブロイド判のいわば「新聞」。朝日・毎日・読売・日経・産経・神奈川・東京の各紙に折り込みチラシ広告という形で配布されている。「新聞の収益を『新聞』がフォローしている」とも言えなくもない。
情報(記事)の内容はエリアの「政治・経済・社会・文化・生活情報」etc。その地域ならではの情報が130人からの記者によりフォローされている。
情報自体が「広告」のケースも多々。従い「政治活動支援」にも対応している。具体的にはエリアを選挙区とする政治家の「意見広告」も掲載される。所定の額を払った上で、のことであることは言うまでもない。HPを一度訪ねてみて欲しい。過去の掲載情報が読める。どんなタウン紙なのかが容易に理解できる。
収益状況は好調・堅調そのもの。2021年6月期と前6月期の平均営業増益率は77.6%、且つ連続最終純益更新。今6月期も「10.1%増収(35億7700万円)、32.5%営業増益(5億100万円)、9.0%最終増益(3億3800万円)計画」。
確かに実績額の規模は小粒、が「ピリリ!?」。記事が飲食店の広告としても、広告主が「言うがまま」に掲載されるとは限らない。記者が根掘り葉掘り取材をして、読ませる記事として発信する。
1977年7月に秦野版(3万部)を僅か5名で立ち上げた「何故」を「1つの街に1つの新聞をコンセプトに」とし、具体的に「首相の言動は報道されていても、地元の市長の言動については言及されていないのが現状」と噛み砕いている。
従来の歩みを基盤に、新たな展開も模索されている。秦野市(神奈川県)で既に実績を残しているが、公民連携による公共サービスの提供(PPP)の第2弾発掘に注力している。LINEなどによる非紙事業の拡充などが公にされている。
PEGレシオに当て嵌めると「買い」のサインが出てくる。時価は500円出入り水準、予想税引き後配当利回りは2%台半ば。予想PERは8倍余り。とりあえずは配当取りを主眼に構えるのが賢明だろうが、一策として単元株(5万円余りで購入可能)株主になるのもありか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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