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特異なフリーランス事業を手掛ける:みらいワークスの下方修正の読み方
フリーランスワーカーをフォローする企業が頭角を現している。本欄でその施策を何回か取り上げたランサーズ(東証グロース)や、私自身がいまから5年近く前に財経新聞に記事を投稿する入り口となったクラウドワークス(東証グロース)などが双璧。だが両社とも着実に売上高は伸ばしつつも、利益面ではなかなか浮上しえていないのが現状。
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そうした中、みらいワークス(東証グロース)という企業に出会った。前2021年9月期は「18.1%増収、201.6%営業増益、241.8%最終増益」。今期も「22.3%の増収(60億円)、7.4%の営業増益(2億5000万円)、15.2%の最終増益(1億6400万円)」計画でスタートした。企業とフリーランスのコンサルタントのマッチングサービスや、高スキルなフリーランスワーカーと企業への(転職)マッチング事業を展開している。
そんなみらいワークスが中間期開示と同時に8月12日、通期の下方修正を実施した。売上高は3億円上乗せしながら「営業利益:1億円、最終利益:2400万円」に、である。
どう理解すればよいのか。まずは同社の展開事業を踏み込んでみておく。
<地域転職プラットフォーム事業>: 都市部のプロ人材の地方への転職を繋ぐ。具体的には都市部のプロ人材に対し求職者の掘り起こしを図り、地方の優良企業の経営幹部などへの転職先を紹介(仲介)する。
<ソリューション事業>: 上記事業で積み重ねた情報を武器に、地域金融機関・地域優良企業・自治体に「人事」関連のフォローアップ事業(2021年2月開始)。
前期の決算資料では、「不正アクセスへの対策費用」「現存損失」の表現に出会う。そして前記の下方修正の理由をみらいワークスは、こう語っている。
「当社の成長を最大化するためには、クライアント基盤の拡大による契約数の増加及び業容の拡大の促進が適切と判断し、契約数の増加・売上高を積み上げること、新規事業の推進に注力。
結果契約件数は1190件:前年比210件の増加見通しとなり、売上高も計画比3億円上回る見込みとなった。が、売上総利益率は計画より3.9%下回り売上総利益は1億6000万円下回る見通しとなった。・・・・・業務内容拡大に積極投資は不可欠と考え営業職員の積極的採用/オフィス移転や広告活動を行い、販管費は昨年度に比べ年間4億3100万円増加を見通している」。
利益を生み出す体質にはなったが、更なる利益の創出には売上高が不可欠という判断の結果だったという次第。ある意味で端境期と言えるのか、それとも伸長へのワンステップと捉えるべきか。見守りたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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