7月のバイト時給、求人各社ともプラス コロナ拡大も飲食や宿泊系で採用旺盛

2022年8月23日 07:50

印刷

 求人サイトを運営する各社が7月度のパート・アルバイト時給動向を発表し、新型コロナの感染拡大が続く中で飲食業や宿泊業などを中心に人材不足が続いていることが分かった。

【前月は】6月のバイト時給、プラスが続く リクリートは2カ月連続で過去最高

■アイデムは東西日本ともに前年同月比プラス

 3日、アイデムが2022年7月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比12円増の1,102円。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同11円増の1,127円。

 大分類の職種では専門・販売職(東日本の平均時給:1,268円、前年同月比:7円減、以下同じ)と、その他(1,096円、29円減)がマイナス。プラスだった職種では事務職(1,093円、37円増)、飲食サービス職(1,033円、38円増)、製造関連・ドライバー職(1,130円、62円増)で大きく伸びた。

 西日本エリアの平均時給は同15円増の1,044円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同17円増の1,059円。大分類の職種では多くで前年同月比プラス。特に専門・技術職(西日本の平均時給:1,224円、前年同月比:27円増、以下同じ)、飲食サービス職(1,011円、47円増)、製造関連・ドライバー職(1,037円、31円増)で大きく伸びた。一方でその他(1,063円、8円減)のみがマイナスだった。

■マイナビは15カ月連続でプラス

 16日、マイナビが7月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比10円増の1,137円となり、15カ月連続でプラス。

 職種別で時給が上がったのは、カウンター業務が1,048円(前年同月比:88円増、以下同じ)、家電量販店が1,283円(119円増)、携帯販売が1,430円(64円増)。家庭教師が1,570円(79円増)、塾講師が1,338円(94円増)、SE・プログラマが1,387円(86円増)。その他クリエイティブ・編集が1,342円(253円増)、編集・制作・校正が1,364円(200円増)。その他医療・介護・保育が1,136円(132円増)、警備・交通誘導が1,173円(62円増)、搬入・搬出・会場設営が1,661円(101円増)など。

 反対に時給が下がったのは、WEB/グラフィックデザイン・POP制作が1,192円(92円減)、医療専門職が1,393円(183円減)、看護師・准看護師が1,459円(150円減)、薬剤師・登録販売者が1,410円(334円減)、構内作業・フォークリフト・溶接が1,300円(123円減)、食品製造・加工が1,037円(90円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比22円増の1,003円、関東が同20円増の1,217円、甲信越・北陸が同9円増の1,072円、東海が同35円増の1,104円、関西が同13円増の1,122円、中国・四国が同27円増の996円、九州・沖縄が同50円増の1,015円となり、全ての地域でプラスだった。

■リクルートは15カ月連続でプラス

 22日、リクルートのジョブズリサーチセンターが7月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比13円増の1,126円となり、15カ月連続でプラス。新型コロナ第7波の影響があるものの、飲食系で旺盛な採用が続いているほか、宿泊業が回復したことからホテル清掃の人材が不足している。

 職種別で時給が上がったのは、ホテルスタッフが1,118円(前年同月比:53円増、以下同じ)、ファストフードが1,068円(68円増)、洗い場・パントリーが1,064円(52円増)、組立工が1,221円(97円増)。電話応対が1,256円(75円増)、営業が1,592円(138円増)、家庭教師が1,430円(114円増)など。

 反対に時給が下がったのは、アパレル販売が1,024円(86円減)、看護師が1,723円(42円減)、保育士が1,115円(269円減)、幼稚園教諭が1,105円(355円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比7円増の1,171円、東海が同14円増の1,037円、関西が同15円増の1,099円となり、3地域ともにプラスになっただけでなく、東海と関西で過去最高時給を更新した。

■ディップは19カ月連続でプラス

 同日、ディップが7月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比62円増の1,227円となり、19カ月連続でプラス。またアルバイト・パートの求人件数は、同1.5倍となる約26万4,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは、オフィスその他が1,245円(45円増)、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,545円(330円増)、編集・制作・撮影が1,076円(82円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,615円(186円増)。携帯・家電販売が1,529円(104円増)、ホール・キッチンスタッフが1,061円(56円増)、フード・飲食その他が1,049円(52円増)。レジャー・娯楽施設が1,069円(64円増)、仕分け・検品・梱包が1,235円(132円増)、建築系が1,587円(206円増)。工場・製造その他が1,236円(119円増)、塾講師・家庭教師が1,917円(190円増)、教師・講師・インストラクターが1,882円(184円増)など。

 反対に下がったのは、営業その他が1,236円(85円減)、営業・企画営業が1,400円(104円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,310円(96円減)、イベントその他が1,177円(108円減)、イベント関連が1,433円(346円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,412円(905円減)など。

 地域別では関東が前年同月比62円増の1,271円、東海が同74円増の1,196円、関西が同23円減の1,221円、九州が同124円増の1,147円だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事