博報堂、即時配達のOniGOに出資 マーケティング事業を共同開発

2022年8月21日 08:06

印刷

OniGOのライダー(画像: 博報堂の発表資料より)

OniGOのライダー(画像: 博報堂の発表資料より)[写真拡大]

 博報堂(東京都港区)が8月20日、倉庫から即時商品を配達するクイックコマース(Qコマース)の「OniGO」と資本業務提携を行ったと発表した。OniGOの購買データを活用。マーケティング事業「Q-MEDIA」を共同で開発する。

【こちらも】毎日新聞、記事をAIでラップ調にしてTikTokに投稿するプロジェクト

 OniGOは倉庫拠点(ダークストア)から配達員が日用品や食料品の配達を行うECサービス。店舗は持っておらず、アプリから注文すると最短10分で商品が届くスピードが特徴だ。

 博報堂はOniGOの即時購買と配達システム、SNS、利用者購買情報、地域密着で配達を行うライダーなどの保有するデータを活用。2社でオンライン・オフラインの総合型マーケティングを目指す。「今すぐ買いたい」「今すぐ食べたい」というユーザーの欲求と即時コミュニケーションを図ることで、新しい買い物体験を提供する。

 Q-MEDIAの開始に際して、テストマーケティングと一体化した新規ブランドの立ち上げサポートなどを法人向けに提供する。即時購買データに基づいたカスタマイズメニューなども展開予定。流通を通さず製造者が直接消費者に販売を行うD2Cの販路づくりも行う。

 博報堂は広告事業を超えて新規事業を開発する組織「博報堂ミライの事業室」を2019年に発足している。博報堂が事業オーナーとして外部の多様な企業と連携し、新規事業の創造に取り組んでいる。OniGOと共同開発を行うのは同事業室。

 OniGOは2021年に設立したスタートアップ。目黒区からサービス提供を開始し、2022年8月現在22区7都市で展開している。今後も都内を中心に提供エリアの拡大を計画している。

 宅配のネットスーパーの場合、配達までに1日以上かかることが多いが、OniGOはネットスーパーの拠点を都内12カ所で展開し、最短10分で商品を届ける。地域密着を意識し、自社で排圧のライダーを採用しているのも特徴のひとつ。

 新型コロナウィルスの影響でクイックコマースの注目度は高まっている。OniGOは自社で在庫管理システムやピッキングシステムを開発しており、リテール企業にサブスク方式でのシステム提供も行っていく方針だ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事