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コロナ禍、AI導入が加速 「運用できる人材いない」効果実感も足踏み状態
ソニービズネットワークスが「AI導入状況調査」。AI導入企業の3社に2社が2019年の新型コロナウイルス蔓延開始時期前後である3年以内にAIを導入[写真拡大]
日本のIT投資が他の先進国や新興国に比べ著しく低水準であることは、長年一部の専門家の間で問題視されてきた。人材不足も念頭に置いた働き方改革でもテレワークの実施などDX推進が推奨されてきたというものの実績は十分でなかった。しかし、新型コロナの流行の中で、オンライン化など日本のDXが世界から大きく遅れていることが一般にも認知され、ようやく日本のDXも動き始めたと言える。その中でAI導入も加速したようだが、システム導入は短期間で実現できるというものの、年月のかかる人材の確保・育成に手間取っており、AI活用が円滑に進まず足踏み状態になっているようだ。
ICTサービス業のソニービズネットワークスが3月下旬に全国の会社員や経営者・役員1000名を対象に「AI導入状況調査」を実施、5月30日にその結果レポートを公表している。これによれば、AI導入のタイミングについて聞いた結果、3人に1人が「3年以内にAI導入始めた」と回答している。レポートでは「3年前が2019年の新型コロナウイルス感染拡大開始と重なることから、テレワークの普及に伴い、AI導入も加速した」と考えられると指摘している。
AIの用途については、「需要・販売予測」が38.8%と約4割で最も多く、次いで「顧客分析、営業活動効率化」36.6%、「在庫最適化」33.2%と続き、需給管理での使用が中心のようだ。AI導入の効果については、「作業時間削減できた」が40.2%と4割超えで最も多く、次いで「生産性が向上した」34.6%と続いており、作業効率化で一定の効果を実感している。
「運用面での課題」について聞いた結果では、「AIを最大限活用できていない」が48.6%と約半数に達し断トツで多くなっており、次いで「運用できる人材がいない」が30.4%、「既存システムと連携ができていない」28.6%と続いている。AI未導入企業にその理由を聞いた結果でも、「AIの導入をリードできる人材がいない」31.4%がトップに来ており、AIを導入し、既存システムと連携させ、AIを最大限活用できるような専門人材が確保出来ず、AI導入・運用の重要性を認知しながらも足踏み状態となっている企業の状況がうかがえる。
また、AI未導入企業の「AI導入の検討状況」に中小企業と大企業で格差があり、さらにAI導入済企業の中でもAI導入予算に規模の格差が見られるなど、企業規模よるAI格差が進行中のようだ。この背景にも人材確保力の差があるのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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