農水省、ウクライナ難民のペット検疫で特例措置 獣医師からは批判の声

2022年4月20日 16:48

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 狂犬病予防のため、海外から入国した犬や猫には、出国地政府発行の防疫書類が無い場合に最長180日間の検疫が義務付けられているが、ウクライナ難民が連れてきた犬がこれに該当したため「費用が払えない」「殺処分される」といった情報が出回り批判が殺到、農林水産省が特定措置として検疫所外でも飼えるよう緩和することを発表した(産経新聞読売新聞時事ドットコム)。

狂犬病は致死率100%の極めて危険な病気で、かつて日本でも蔓延していたが現在は撲滅。世界でも数少ない狂犬病清浄国となっている。現在でも狂犬病ワクチンは義務付けられているが、そのために既にワクチンを接種していない犬も多いという。一方でウクライナは非清浄国で、持ち込まれた犬には狂犬病の危険性がある。そのため、万が一日本の犬や猫に感染すれば、大量のペットが殺処分される可能性もある。

今回の農水省の措置に対しては、難民受け入れに対してよいことだと受け取る人が居る一方、SNS上などでは獣医師などからは「先人の努力を無にするものだ」「取るべき対応は検疫費用の援助で検疫を緩めてはいけない」と逆に批判が殺到している。ただし、こうした特例は過去の災害救助犬にも適用されており、また滞在先からの報告などは求めるとはしている。

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