産業用システム狙うマルウェア発見される

2022年4月16日 08:54

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記事提供元:スラド

米国の政府機関が共同で行った発表によると、産業用システムを乗っ取るためのマルウェア「Pipedream」が見つかったという。米国土安全保障省(CISA)、国家安全保障局(NSA)、連邦捜査局(FBI)、エネルギー省(DOE)が共同でサイバーセキュリティアドバイザリーを出している(米国土安全保障省BleepingComputerDragosGIGAZINE)。

発表によるとこのPipedreamは、業用制御システム(ICS)および監視制御およびデータ取得(SCADA)デバイスに対する完全なシステムアクセスを獲得する能力があるとしている。ターゲットとなっている具体的な製品名として、Schneider Electric製プログラマブルロジックコントローラー(PLC)やオムロン製のSysmac NEX PLCを利用した製品、Open Platform Communications Unified Architecture(OPC UA)サーバーなどの名前が出ている。これらの機器を利用した製品は液化天然ガス(LNG)の生産施設で利用されることが多いことから、PipedreamはLNGの生産施設を標的にしたものではないかと推測されている。

BleepingComputerの記事によると今回の「Pipedream」は、2017年に産業安全システムを無効にしようとした「TRITON(Trisis)」、2016年にウクライナで停電を引き起こしたマルウェア「Industroyer」、2010年頃にイランの核開発計画を妨害した「Stuxnet」に匹敵するものであると指摘している。 

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