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2021年度の倒産件数、57年ぶりの低水準 コロナ関連は5割増 東京商工リサーチ
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東京商工リサーチが2021年度の倒産状況を発表し、負債額に関わらず倒産件数は低い水準に留まっている一方、新型コロナウイルス関連の倒産件数は大きく増えていることが分かった。
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■倒産件数は57年ぶりの低水準もコロナ関連が5割増
8日、東京商工リサーチが2021年度の倒産状況(負債額1,000万円以上)を発表した。21年度の全国企業倒産件数は前年度比16.51%減の5,980件。19年度から2年連続で減少するとともに、57年前となる1964年度(4,931件)以来の低い倒産件数に留まった。ただし、このうち新型コロナウイルス関連の倒産件数は1,770件と、前年度の1,155件から53.2%増と大きく増えている。
■負債総額は48年ぶりの低水準
負債総額は前年度比3.34%減の1兆1,679億7,400万円。負債総額の減少は17年度から4年連続で1973年度(9,055億7,000万円)に次ぐ低い水準となっている。
負債額が最も多かったのは、ホテル経営などを行う東京商事(負債額:1,004億8,300万円、以下同じ)で、負債額1,000億円を超えるのは2018年度のMT映像ディスプレイ(1,033億2,600万円)以来となった。ついで電力小売りのホープエナジー(300億円)、鶏卵業界最大手のイセ食品(278億4,700万円)、LED照明やリチウムイオン蓄電池取扱いのD-LIGHT(213億円)、D-LIGHTの関係会社でLED照明やリチウムイオン蓄電池を販売するD-PROX(177億円)が負債額上位5社。また上場企業の倒産は無く、2019年度以来のゼロだった。
■運輸業以外の9産業で減少
産業別では10産業中9産業で倒産件数が減少した。特に金融・保険業(倒産件数:18件、前年度比:43.75%減、以下同じ)、農・林・漁・鉱業(60件、36.17%減)、小売業(708件、26.63%減)、製造業(646件、21.60%減)で減少割合が大きめ。唯一倒産件数が増加したのは運輸業(244件、7.48%増)だった。いずれの産業も倒産件数は低い水準に留まっている。
さらに地区別では全地区で減少。特に中国(234件、28.4%減)と中部(730件、24.1%減)で減少割合が大きめ。近畿(1,558件、19.0%減)、関東(2,261件、13.6%減)、北海道(144件、13.2%減)でも2桁割合の減少。東北(287件、3.6%減)、北陸(156件、8.7%減)、四国(127件、6.6%減)の3地区が1桁割合の減少だった。
■小規模倒産も低水準ながらコロナ関連は増加
また、2021年度の負債1,000万円未満の倒産件数は、前年度比25.9%減の456件。減少するのは、14年度以来7年ぶりで、400件台の倒産件数は16年度(418件)以来。一方、新型コロナウイルス関連の倒産件数は前年度比68.4%増の96件と、負債額1,000万円以上の倒産同様に大きく増加した。
産業別では10産業中8産業で減少。倒産件数が最も多かった産業はサービス業他で215件(前年同月比:28.8%減、以下同じ)、ついで建設業(70件、22.2%減)、小売業(64件、6.6%増)、卸売業(36件、34.5%減)、情報通信業(20件、56.5%減)と続く。小売業以外では金融業(3件、50.0%増)で倒産件数が増加した。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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