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少子化時代、認可保育園運営:さくらさくプラスが打ち出した一歩先を行く事業とは!?
(画像: さくらさくプラスの発表資料より)[写真拡大]
少子高齢化時代。アクティブシニアへのフォローが求められるのと同時に、幼児の健やかな成育⇔両親の安心した社会活動の実現が必須条件となる。
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2020年に上場したさくらさくプラス(東証M市場)は09年、保育所事業として創業した。IR担当者は「女性の社会進出が盛んになる一方で、出産後に幼児が保育園に入園できない。結果、復職できないという社会問題が引き金」と振り返り、「常に『おうちのようなほいくえん』を標榜し今日に至っている」とした。
前期末時点で認可保育園:74の施設が運営されている。職員総勢1635人。3971名の園児が日々を「我が家での如く」過ごしている。
さくらさくプラスの保育園は、東京都の認定保育園をドミナント戦略で展開している点が特徴。働く保護者のニーズが高い「最寄り駅から徒歩10分以内」の施設が約95%を占めている。そうした好立地を実現する上で、詳細は省くがグループの「不動産部門(の開発力)」が活かされている。
保育士不足が懸念されているが、「Web活用による採用スキームが構築されていることに加え、上場効果もあり現状の採用状況は順調」(IR担当者)。研修体制も整備されている。具体的には、こんな具合だ。
★研修体制: 年間150回以上の研修を延べ3000人以上が、保育マニュアルに基づき受講している。
★CLiP: 独自の幼児教育プログラムの作成・運用。脳科学や教育学の専門家(大学で実際に研究している4人のスタッフ)による保護者への発信(セミナー)。「学びの基礎に触れる経験」「非認知能力との相互の繋がり」を共有し、保育の実践にあたっていく。
また、興味を抱いたのは今後の方針。
★保育園近くにカフェを開設方針: 「働く保護者にとり食へのニーズは高い。また感染症などの影響で保護者同士の繋がりの機会が減少している。そうした環境を鑑み、認可保育園近くに子育てカフェを展開する。手軽に食べられる安心安全なパンを提供し子育て家庭のコミュニティの場を創り出していく」(同)
★食事業: さくらさくプラスには幼児の食を担う、180名以上の栄養士・管理栄養士が在籍している。働く保護者には、子供たちの栄養バランスは悩みのひとつ。それを解除する策として、保育所運営で蓄積された幼児食の経験・知見を活かし「食」事業に進出するというのである。
さくらさくプラスは一歩先行した保育業に照準を合わせている。
少子化の進捗(昨年の新生児数は84万人と過去最低)への対応策として、保育園事業の充実は不可欠である。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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