新型コロナ予防行動への影響、情報源により異なることが判明 東北大

2022年4月2日 13:54

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 新型コロナウイルス感染症が流行する中で適切な予防行動が求められてきたが、必ずしも予防行動を遵守しない人たちも見受けられている。適切な予防行動をとる上で重要となるのが適切な情報だが、人々の情報源と予防行動の関係については明らかにされてこなかった。

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 東北大学の研究グループは1日、新型コロナウイルス感染症に関する情報源と人々の予防行動との関連を調査した結果、情報源によって予防行動への影響が異なることが明らかになったと発表した。

 適切な予防行動として、マスク着用、部屋の換気、ソーシャルディスタンス確保、人混みを避けるといったものが挙げられる。今回の研究では、これらの4つの予防行動と人々の情報源の利用との関連について、20歳から79歳の男女を対象としてWeb調査を実施。分析には一般化推定方程式が用いられ、各種情報源の使用有無による予防行動を遵守する人の割合の変化が算出された。

 その結果、上記の4つの予防行動のうち2つ以上を遵守している人と、特定の情報源との関係が大きいことが明らかとなった。その情報源の内訳は医療従事者や専門家、政府自治体、ツイッター、ネットニュース、テレビニュースである。これらの情報源は4種類の予防行動のいずれかと関連が見られたが、4種類全てと関連しているものは無かった。

 これらの結果から、政府機関やメディアによる情報提供は、新型コロナウイルス感染症の予防行動遵守に重要な役割を果たしていたと考えられる。だが全ての予防行動との関連が見られた情報源は無かったことから、提供された情報に偏りがあった可能性も十分に考えられる。

 そのため特に新型コロナウイルス感染症に関しては、複数の情報源を収集することが重要であると示唆される。また、メディア側は出来る限り偏りの無い包括的な情報を提供することが求められている。

 今回の研究成果は3月13日付の「Healthcare」誌のオンライン版に掲載されている。

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