世界で2500万人が利用 英語発音コーチアプリ「ELSA Speak」とは

2022年3月20日 17:11

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(画像: ELSA Japanの発表資料より)

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 英語学習アプリは数多く存在するが、最近は音声認識技術を用いたアプリも増えてきた。スマホに話しかけることで発音やスピーキングの練習ができるというものだが、今回紹介する「ELSA Speak」もそんなアプリの1つだ。ここでは「ELSA Speak」でできることや、注意点などをお伝えしたい。

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■「ELSA Speak」とは

 「ELSA Speak」は、2015年、Googleの出資を得て誕生したAI英会話アプリだ。独自に開発した音声認識技術を用いて話者の発音を判定し、学習者が抱く弱点を特定する。単に発音やアクセントだけでなく、イントネーションや流暢さまで判定してくれるため、毎日続けることで短期間で弱点を克服し、大幅にスピーキング力を伸ばせるという触れ込みだ。

 「ELSA Speak」の創業者は非ネイティブであり、アメリカで発音が通じなかった自身の経験をもとに、同じように発音に悩む英語学習者をサポートしたいとの思いで、アプリを開発したという。それゆえこのアプリは、ユーザーの母国語の癖を踏まえて、英語発音の矯正ができるというのが大きな特徴である。今では世界に2,500万人以上のユーザーを抱え、多くの教育機関や企業にも導入されているという。

■「ELSA Speak」でできること

 「ELSA Speak」の最大の特徴は、単に英語音声を認識するだけでなく、英単語を構成する1音ごとに判定し、細かいフィードバックを返してくれるところだ。正しく発音できている箇所、もう1歩という箇所、正しく発音できていない箇所をそれぞれ色分けして示し、全体でネイティブの発音にどれだけ近いかをパーセンテージで表示してくれる。

 また単語単位だけでなく、画面に表示される文章を読み上げることで、イントネーションや流暢さも判定してくれる。音の連結や消失、強調すべきところや弱く発音すべきところなどが視覚的に表示されるため、これまで対面でしか難しかった発音矯正が自分ひとりでできるのだ。

 さらに、最初に受ける判定テストの結果、学習者の弱点を分析し、それに応じた弱点克服のためのカリキュラムが提供される。アプリの提供するレッスンを進めていくだけで、自然とネイティブに近い発音が身につく仕組みだ。

■「ELSA Speak」の注意点

 「ELSA Speak」は、実際試してみて非常に優秀なアプリだとは思うのだが、いくつか注意したい点もある。1つは、フルにサービスを活用するには有料プランに登録する必要があることだ。1,950円の3カ月プラン、5,900円の1年プラン、さらに、10,980円の生涯プランというのもある。1週間の無料トライアル期間もあるが、期間が終了すると自動で有料プランに移行するため注意が必要だ。

 もう1つは、「ELSA Speak」はアメリカ英語を基準としている点だ。イギリス人が完全なRPで話しかけても、かなり低い評価になってしまったとの話もある。練習もアメリカ人の発音をお手本にするため、イギリス英語やオーストラリア英語などを練習したい人には向いていないだろう。

 有料プランを選ぶかどうかはともかく、たとえアメリカ英語が基準でも最初の発音判定テストは受けてみて損はないだろう。思わぬ弱点に気づくきっかけになるし、気に入ったら無料のままでもある程度サービスを利用できる。「アメリカ英語の発音を身につけたい」という人にはおすすめだ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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