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【映画で学ぶ英語】『ドリームプラン』:チャンピオンを育てた名言5選
2月23日に公開された映画『ドリームプラン』は、実話にもとづいたスポーツ映画だ。ビーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹の、伝説的テニスプレイヤーを育てた父親リチャード・ウィリアムズの姿を描いた作品だ。
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ウィル・スミスが逆境にもめげず娘たちのために奮闘する父親役を熱演。アカデミー主演男優賞にノミネートされたことでも話題を集めている。
今回はこの映画から2人のチャンピオンを育てた名言を紹介したい。
■You fail to plan, you plan to fail.
リチャードが自分の夢を実現するために強調するのが、しっかりとプランを立てて、それにこだわり続けることである。
映画の序盤でリチャードは娘たちが床につく前に翌日のプランを立てたか聞く。これに答えて娘たちが言うのが上にあげたセリフ。「プランを立てないのは、失敗するプランを立てているのと同じ」という教えである。ここでのfailはto不定詞を伴って、「~しそこなう、怠る、しない」という意味になる。
ちなみに実際のリチャード・ウィリアムズは、女性テニスプレイヤーが高額賞金を稼ぐのをテレビで見たことで開眼。彼はまだ生まれていない娘をテニス選手にするため、85ページのプランを立て、ビーナスは4歳のときからテニスをはじめている。
■The most powerful, the most dangerous creature on this whole earth is a woman who knows how to think.
リチャードが指導者として卓越していた点は、娘たちにテニスの天才教育をほどこす一方で、教養と情操教育も怠らなかったことである。
「地球で最も強力で危険な生物は、頭を働かせられる女性だ」という彼の母の言葉を、リチャードはテニスクラブに向かう車のなかで娘たちに教えた。
ビーナスとセリーナの息長いキャリアばかりでなく、この映画のテーマのひとつである女性の権利拡張とも関連する重要なセリフである。
■I'd like other people to want to play like me.
リチャードはビーナスとセリーナを、マッケンローやサンプラスのコーチも務めていたポール・コーエンに引き合わせる。2人の才能に感銘を受けたコーエンは、模範となるプロテニス選手はいるかと彼女たちに尋ねた。
この問いにセリーナは「他のひとたちが私のようにプレーしたくなってほしい」、つまり「他のひとたちの模範になりたい」と答える。このセリフでwould likeは目的語とto不定詞を伴って、「~に~してほしいと望む」という意味になっている。
この映画の焦点は主にビーナスに置かれているが、このように妹・セリーナの性格の違いを示すシーンも散見されて興味深い。
■Wouldn't be no dream if it wasn't for me.
リチャードのプランの実現には、ビーナスとセリーナを生んで育てた妻・オラシーン(演じるアーンジャニュー・エリスはアカデミ助演女優賞にノミネート)の協力も欠かせない。ややもすれば独走しがちな夫・リチャードに対して彼女は、「私がいなかったら、夢も何もあったものではない」と言い放つ。
このセリフの前半は2重否定が否定の強調の意味で用いられている好例。後半if it wasn’t (were not/had not been) for ~は「~がなかったなら」という頻出イディオムなため、まとめて覚えておきたい。
■I think I have the game to beat anyone. I just have to play it.
映画の終盤でプロトーナメントデビューを果たしたビーナスは、世界女王のアランチャ・サンチェス・ビカリオと対戦することになった。試合前に気持ちを聞かれたビーナスは「誰でも打ち破れるゲームをできると思う。自分のゲームに集中するだけ」と答える。
このセリフのgameは、「試合における戦い方」という意味。関連して「have the game in one's hands、勝利を手中にしつつある、勝負の主導権を握る」というイディオムも覚えておこう。
控えめながら強い自負を示すこのセリフにビーナスの性格がよく表れており、全編でもとりわけ印象深いものとなっている。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)
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