【映画で学ぶ英語】『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の傑作ジョーク5選

2022年2月4日 11:29

印刷

 2月4日公開の映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、おばけ退治チームの活躍を描くシリーズ4作目となる長編映画だ。

【こちらも】【映画で学ぶ英語】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の名言5選

 1980年代に製作された2本の映画に直接つながる本作の主人公は、オリジナルメンバーのひとり、イゴン・スペングラー博士の孫娘・フィービー。12歳の科学少女であるフィービーは、ときどきその場の雰囲気とはほど遠いジョークを飛ばして周囲を唖然とさせる。

 今回はこの映画の全編に散りばめられたフィービーのジョークを紹介する。映画を見ながら英語のジョークを実際の雰囲気からぜひ味わっていただきたい。

■Why should you never trust atoms?

 英語のジョークは日本のなぞかけと似ており、質問の形で切り出し、答えが落ちになるパターンが多い。

 この例で質問は「なぜ原子を信頼することができないか?」で、答えは「Because they make up everything.原子はすべてのものを作り上げるから」である。

 Make upというイディオムが「作り上げる、構成する」という意味ばかりでなく、「でっち上げる」という意味でも頻繁に使われることから成り立つジョークだ。

■What do you call a dead polar bear?

 質問は「死んだホッキョクグマを何と呼ぶ?」、答えは「Anything you want. It can’t hear you now. 何とでも好きなように。死んでいるから聞こえない」

 「~を何と呼ぶ?」What do you call ~?という表現は、英単語がとっさに思い浮かばないとき便利なため、ひとまとめで覚えておきたい。

 たとえば「何カ国語もしゃべるひとを何と呼ぶ?」ならば、What do you call a person who speaks several languages?となる。

■What do a cigarette and hamster have in common?

 質問は「たばことハムスターの共通点は?」答えは「They’re both completely harmless until you stick one in your mouth and light it on fire.どちらも無害。 口に入れて火をつけなければ」

 Have ~ in commonは「~を共通に持つ」という決り文句。「私たちに共通点はない」というのであれば「We have nothing in common」となる。

■What do you call a fish with no eyes?

 質問は「眼のない魚を何と呼ぶ?」で、答えは「A fsh…フシュー」

 このジョークを理解するポイントは、「眼」の複数形eyesとアルファベットまたは人称代名詞の複数形i’s/I’sの発音が同じであること。したがって質問の意味は「iのない魚を何と呼ぶ」ともなり、答えはfishからiを抜いただけというナンセンスである。

 アルファベットiの複数形であるi’sの用例としては、dot the/one’s i’s and cross the/one’s t‘s という成句を覚えておきたい。「iの点を打ちtの横線を引く」という意味で、細部にまで注意を払う様子をたとえる表現である。

■A grasshopper walks into a bar…

 最後は笑いを取るのに演技力が必要となるジョーク。出だしは「バッタ/キリギリスがバーに入ってきた……」で、and the bartender’s like: “We have a drink named after you!“ バーテンいわく「あなたにちなんだ名前の酒があるよ!」と続く。

 落ちはThen the grasshopper’s like: “You have a drink named Steve?“ バッタの言うことには「スティーヴという酒があるの?」

 バッタの口真似をするフィービー役・マッケナ・グレイスの名演技に注目していただきたい。

 Grasshopperは、グリーン・ペパーミント・リキュール、ホワイト・カカオ・リキュール、生クリームを合わせて作るカクテル。仕上がりが不透明な淡い緑色になるためこの名がある。

 「メアリー・ピックフォード」など有名人にちなんで名付けられたカクテルも存在するため、バッタは自分の名前「スティーヴ」という酒があると勘違いしたのである。このジョークは「grasshopper named Steve」とグーグルで検索するといくつかのヴァージョンが存在するようだ。

 英語圏では今回紹介したようなジョークを好むひとたちが多く、文化の一部と言える。日常的に堅苦しい雰囲気を和ませるために使われることもまれでない。簡単な英語で細かいニュアンスの違いも学べるから、英語学習者も普段から積極的にジョーク集などで親しんでおくとよいだろう。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る

関連記事