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レバレジーズ、退院後の転院先や介護施設探す「わんパス」開始 医療機関向けに
レバレジーズは11日、退院後に患者の転院先の病院や入居先の介護施設の検索などが可能なSaaSシステム、「わんパス」を開始したと発表した。医療機関を対象に、検索機能の提供と共に、病院が担ってきた患者の入退院支援業務の効率化にも寄与する。同社はわんパスの提供より、医療・介護施設のIT化を支援し業界全体の生産性向上を目指すという。
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わんパスではまず、退院後の在宅療養が難しい患者の受入ができる病院や、介護施設の検索ができる。検索の際には、エリアや予算など患者の希望条件と共に、病名や日常生活動作の状況などの条件設定が可能なため、患者の状態に合った受入先の選定に寄与する。
また、これまで電話やFAXで1件ずつ行っていた転院先候補などへの依頼や調整を、わんパス上のチャットで行える。連絡先を調べたり電話等をかける工数が無くなり、業務削減につながる。
わんパスを通じて転院先候補への受入一括依頼も可能。併せて、転院先候補が受入判断をする際に必要な医療情報の連携や、情報の一元管理も担う。連携業務の進捗管理なども行えるという。
レバレジーズは、2005年にシステムエンジニアリングサービスを手がける会社として創業。その後、ITや医療・介護関連の人材紹介・就業支援等事業やメディア事業、M&A事業などへと事業拡大してきた。同社は創業年度から黒字経営を継続しており、2020年度は年商507億円を超えたという。
医療・介護関連事業では、人材紹介事業などの他、介護施設や老人ホームを紹介するサービス「きらケア老人ホーム」を展開。わんパスは同サービスと連携し、入居先候補として介護施設の情報を活用。候補先情報の提示から入居までサポートを行う。
厚生労働省がまとめた「高齢社会白書」(2021年版)によると、日本の高齢化率(65歳以上人口の割合)は2020年10月時点で28.8%。将来推計では、65歳以上人口自体は2042年には減少に転じるものの、65歳未満の人口減もあり高齢化率は上昇を続け、2030年には31.2%、2050年には37.7%(約2.7人に1人が65歳以上)に到達する見込みという。支えられる人が増える一方、医療・介護従事者が減る中で、業務のIT化・効率化は取組むべき課題となっている。
レバレジーズは、わんパスを含む医療・介護関連事業のミッションを「全ての人が最期の瞬間まで生きがいをもてる超高齢社会を目指す」と掲げている。同社は今後も医療・介護の課題解決に取組んでいくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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