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フリーランスのマッチング企業:ランサーズ流「中小企業」DX化
ランサーズ(東証M上場)。仕事を発注したい企業と受注したい個人をマッチングさせるプラットフォーム:ランサーズを運営している。4月26日付けの日経新聞電子版が『ランサーズ、「地方中小企業のDX化支援プロジェクト」を開始』と題する記事を配信した。この段階では「お手並み拝見」と取材は見送った。
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今春の段階で情報処理推進機構の調査では、DX化と取り組んでいる企業は4割強。だが日本の企業の99.7%を占める中小企業(社員数300名以下)では、7割前後が取り組んでいない。ただ中小企業のDX化は、今後の日本経済の成長を勘案する上で不可欠。ゆえに「お手並み云々」となった。
数日前。ランサーズから、『日本経済の課題!DX化の遅れる全国の中小企業が本当に求める“売上を上げるためのDX”の実態とは』とするリリースが手元に届いた。
冒頭に「多くの企業ではDX=IT化と捉えられているがランサーズでは『DXは事業構造の変革であり、その手法として一部ではITシステム導入や運用が発生する』という考えの元、今年5月から地方中小企業の課題解決を支援してきた。現状の経営課題に対し、事業・組織の2軸から解決を目指すことがDXのあるべき姿」、「そうした姿勢からプロジェクト責任者(根岸泰之氏)が北海道から宮崎まで約2万キロを移動した。地方経営者の生の声を聞いた。売上を伸ばしたいという声が殆どだった。そこで“売上を上げるためのDX”をコンセプトに、3組織の事業変革を支援した」と記されていた。
そして具体的に地方の3組織が、紹介されている。
例えば、(株)キャビア王国(宮崎県)。いささか宣伝臭くはなるが<<フリーランスの社長秘書導入などで、既存事業の売上を約2倍にした宮崎県のキャビア製造会社>>。そのプロセスを根岸氏に噛み砕いてもらった。
★課題: (1)事務・営業・顧客応対などノンコア業務で、社長の1日の時間の半分が奪われてしまう。(2)スタッフを・・・と思っても経営体力もないため雇用継続が難しく、そもそも地域に対応可能なプロの人材がいない。
★施策: (1)フリーランスに登録しているWeb対応可能な社長秘書や事務オペレーターを導入。(2)より商品を強力に訴求するためフリーランスに登録する営業代行者や、専門技術を有するスタッフによりWebプロモーション動画を作成し展開。
★成果: (1)社長の貴重な時間を月間40時間生み出すことに成功。(2)施策前は平均200万円だった月間売上高が10月には400万円に(11月は800万円/12月には1000万円が見込まれている)。
2組織目は、「生産量の3割になる農家の廃棄野菜を使った商品開発・販売企業が、プロ人材獲得によりフードロス事業推進が加速、地域農業の市場が15%拡大(熊本県)」。3組織目は、「売上昨年比2倍以上!?閑散期向け新商品開発のキャンプ場運営会社(福岡県)」。それぞれについて、課題・施策・成果が記されている。
宣伝臭く云々としたが、ランサーズならではの地方中小企業版DX戦略といえる。ただ要は、今後の実績例の積み重ねにかかっているといえよう。根岸氏は「現在、自営業者でありながらDXを自ら実践し成功した6人と提携した。地方の中小企業のDX化を進めるための裾野の拡がりも進んでいる」とした。注目したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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