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百貨店とSCの10月売上、百貨店は3カ月ぶりプラス SCはマイナス続く
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日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が10月度の売上高を発表し、百貨店が3カ月ぶりに前年同月比プラス、ショッピングセンターは3カ月連続でマイナスと明暗が分かれたものの、どちらも売上が回復傾向にあることが分かった。
【前月は】百貨店とSCの9月売上、2カ月連続でマイナスも一部には回復傾向
■3カ月ぶりにプラス
25日、日本百貨店協会が2021年10月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)2.9%増の3,848億3,612万7,000円となり、3カ月ぶりにプラスとなった。ただし新型コロナウイルスの影響がない前々年比は22.0%減であり、9月の同32.1%減から回復しつつあるもののコロナ前の水準には至っていない。
商品別では引き続きラグジュアリーブランドなどの高額品が伸びているほか、気温の低下で冬ものが動いたため衣料品などで前年実績を超えた。また、食料品では巣ごもり需要に伴う弁当や総菜、土産用の和洋菓子、お節料理やクリスマスケーキの予約も好調という。
■10都市中9都市でプラス
都市別では広島のみマイナス(前年同月比:0.8%減、以下同じ)だったものの、他の9都市はプラスで、特に名古屋(6.1%増)、神戸(5.6%増)、福岡(7.8%増)で伸び率が大きめ。10都市以外の地区では、8地区中5地区がマイナスで、特に近畿(3.2%減)のマイナス幅が大きめ。プラスだったのは四国(6.5%増)、北海道(0.1%増)や中国(0.6%増)の3地区。
商品別売上高では美術・宝飾・貴金属(11.7%増)が2桁割合の伸びだったほか、婦人服・洋品(4.3%増)、身の回り品(7.3%増)、菓子(8.7%増)、総菜(5.7%増)で伸び率が大きめだった。
■大ヒット『鬼滅の刃』の反動でシネマが前年割れ
同日、日本ショッピングセンター協会が10月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比1.4%減の4,685億2,999万2,000円となり、3カ月連続でマイナス。ただし、8月(前年同月比:11.6%減、以下同じ)を底に、9月(9.0%減)、10月と改善傾向が続いている。
業種別では気温低下が中旬以降となったため、月前半における秋冬ものの衣料品が不振だったことに加えて、一部地域で海外からの商品入荷が遅れたことで機会ロスがあった。さらに、劇場版アニメ『鬼滅の刃』の反動により、シネマが前年割れとなっている。一方、新型コロナウイルスが落ち着きつつあることで飲食分野は回復傾向にあるという。
■大都市以外の地方は厳しい状況が続く
売上のうち、テナントが前年同月比1.8%減の3,785億2,391万8,000円。キーテナントは同0.5%増の900億607万4,000円となり、テナントは全体同様に3カ月連続でマイナスながら、キーテナントは3カ月ぶりにプラスとなった。
大都市は13都市中9都市がマイナス。特に札幌市(前年同月比:5.4%減)、仙台市(3.5%減)、川崎市(3.7%減)、名古屋市(3.6%減)、大阪市(3.2%減)でマイナス幅が大きめ。プラスだったのは東京区部(2.7%増)、京都市(0.2%増)、神戸市(1.3%増)、福岡市(4.4%増)の4都市。その他の地域は全てマイナス。特に北海道(6.0%減)、北陸(5.3%減)、四国(7.3%減)、九州・沖縄(4.6%減)でマイナス幅が大きめ。関東(0.9%減)、中部(1.4%減)、近畿(1.7%減)でマイナス幅が小さめだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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