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【注目銘柄】藤倉コンポジットは業績再上方修正を手掛かりに押し目買い交錯
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
藤倉コンポジット<5121>(東1)は11月17日に年初来高値927円まで買い進まれ高値もみ合いのなか利益確定売りに押された。ただ取引時間中の安値815円からは切り返して引けており、下値には割安修正期待の押し目買いも交錯した。今年11月11日に発表した今2022年3月期業績の2回目の業績上方修正が買い手掛かりとなった。また来年4月にスタートする東証の市場区分再編では、最上位のプレミアム(P)市場の上場基準に一部不適合となったが、自己株式取得を実施したほか、適合計画書を作成、提出し経過措置としてP市場上場を目指すことも、株高政策に拍車が掛かるとみられている。
■自動車・半導体向けが好調でゴルフのカーボンシャフトも続伸
同社の今2022年3月期業績は、今年8月に上方修正されたが、その修正値を今年11月に再上方修正した。売り上げを20億円、営業利益を11億円、経常利益を14億円、純利益を6億円それぞれ引き上げ、売り上げ352億円(前期比20.2%増)、営業利益41億円(同3.94倍)、経常利益44億円(同2.82倍)、純利益31億円(同2.62倍)と大幅続伸を見込み、純利益は、過去最高の31億8100万円(2014年3月期)に肉薄する。産業用資材セグメントでは、工業品部門が自動車・住宅設備関連へ販売を伸ばし、制御機器部門が半導体・液晶関連の設備投資回復の好影響を受け、スポーツ用品セグメントでは、ゴルフのカーボンシャフトの新自社ブランド品のツアープロの使用率がアップしたことから一般向けにも売り上げを伸ばし、ハイキング用品もネット販売が好調に推移したことなどが寄与している。
一方、東証の市場区分再編では、P市場の上場基準に流通株式時価総額のみが不適合となっている。このため適合計画書を作成・提出して経過措置としてP市場上場を目指す。この一環として今年11月18日に878円で自己株式立会外買い付けを実施し、233万9100株を取得、取得総額は20億5372万円となった。なお今期配当は、創立120周年の記念配当2円を含めて年間18円(前期実績12円)へ大幅増配を予定している。
■PER6倍、PBR0.7倍の修正で年初来高値抜けから2017年高値目指す
株価は、前期業績の2回目の上方修正・再増配で500円台に乗せ、今期業績の発表では今期通期業績を保守的に予想したことで500円台を出没したが、8月の1回目の業績上方修正でストップ高して600円台に乗せた。その後も東京オリンピックの女子ゴルフで稲見萌寧プロが銀メダルを獲得したほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下で発出された緊急事態宣言に対応してアウトドアスポーツのゴルフ人気が高まり、関連株買いで871円まで上値を伸ばし、700円台まで調整したあと、今期業績の2回目の上方修正で再びストップ高して年初来高値927円まで買われて高値固めを続けている。PERは6倍台、PBRは0.79倍と割安であり、年初来高値奪回から2017年11月高値1070円が次の上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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