【映画で学ぶ英語】『エターナルズ』:南アジア出身のヒーロー・キンゴの名言5選

2021年11月17日 11:15

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 11月5日に公開された映画『エターナルズ』は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の26作目にあたる新作だ。7,000年にわたり人類を密かに見守ってきた不老不死のヒーローである「エターナルズ」が、新たな地球の危機に対処するため再集結する姿を描く。

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 人種、年齢、性別などの面で多様性に富む10人のメンバーのなかで、日本と意外な結びつきがあるのがキンゴというキャラクターである。原作コミックでキンゴは16世紀から日本に住んで侍となり、20世紀の日本で時代劇映画のスターになっている、という設定だった。

 今回の映画化でキンゴはインドでボリウッドスターになった、という設定に変えられた。だが、仲間に忠実であるという性格は変わっていない。キンゴ役を演じるクメイル・ナンジアニは、コメディに出演することが多かった俳優だが、コミカルな場面とヒーローとしての真面目な場面の切り替えが素晴らしい。

 今回はこのようなキンゴというキャラクターの性格をよく表す英語のセリフを取り上げてみたい。

■We should have all stayed together.

 エターナルズはデヴィアンツと呼ばれる頂点捕食者から人類を守るため、7,000年前に宇宙からやって来た。西暦1500年ころデヴィアンツが絶滅したと思われたため、彼らは世界に散って自分たちの人生を楽しむことにしたが、それが思わぬ悲劇の原因となる。

 上にあげたセリフは「皆でずっとまとまっていれば良かったのに」と悔いるキンゴの言葉。インドで映画スターになったキンゴは自己中心的な性格に見えるが、心の底では仲間のことを大切に思っていたことが感じられる。

 Should have +過去分詞は「~すれば良かったのに」と、実際にはしなかったことを後悔する気持ちを表す英語の頻出表現である。

■You’re about to meet two of the greatest warriors the world has ever known.

 新たな地球の危機に対処するためエターナルズは、キンゴの自家用ジェット機でオーストラリアに住んでいる仲間に会いに行く。

 映画スターのキンゴはエターナルズの活躍をドキュメントにするため、50年来の付き人・カルーンにいつもカメラを回させている。上のセリフはカメラに向かって「世界で最も偉大な2人の戦士をご紹介しましょう」と話しかけたときのものだ。

 (be) about toは「まさに~しようとしている」という意味のイディオムである。

■Thor used to follow me around when he was a little kid. Now he’s a famous Avenger and won’t return my calls.

 何千年も地球で活動するエターナルズは、アスガルドの神とはいえ、たかだか1,500年ほどしか生きていないソーよりもはるかに年上である。

 「ソーは子どものころ私の後をついて回っていたが、今では有名なアベンジャーになって私の電話に返事もしてくれない」とキンゴは嘆く。

 Used to は「よく~したものだ、昔は~したものだった」と過去の習慣や反復的行為を表現する。過去形に見えるが、感覚としては助動詞に近い使われ方をされる。

 Return callは「電話に応答する、折り返し電話する」という慣用句。「キンゴですが、お電話を頂いたそうで」と言いたければ、This is Kingo returning your callと言えば良い。

■Don’t be fooled. Ignorance is bliss.

 人間の心を操ることができるエターナルであるドルイグが、アマゾンの奥地に築いたコミュニティを訪れたとき、キンゴが平和な外観に騙されないよう付き人に警告するセリフ。

 Ignorance is blissは日本語で「知らぬは仏」にあたる英語のことわざである。

 Ignoranceは「無知」、blissは「至福、恍惚とするような(宗教的)喜び」という意味。ドルイグにマインドコントロールされて幸福そうに暮らしている人びとを指しているのだろう。

■You do not turn against your family

 「出現(Emergence:昆虫であれば「羽化」という意味)」と呼ばれる危機への対処の仕方で、エターナルたちの意見は真っ二つに分かれた。

 エターナルズが同士討ちになりそうになったとき、「家族に背を向けるものではない」と言ってキンゴは仲間たちの間に割って入る。

 任務を忠実に実行するか、反対する仲間と戦うかというジレンマに立たされたキンゴが選ぶ次の行動を決定する、重要なセリフである。

 Turn againstとは敵対的な態度に変える、「~に背を向ける、反対する」という意味の慣用句。形勢が不利になるという意味でも使われる。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る

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