「GoTo2.0」へ向けた動きが活発化 観光再生のカギは、地方の秘された魅力か

2021年11月14日 19:31

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記事提供元:エコノミックニュース

10月4日に発足した岸田新内閣は感染症対策を進化させた「GoTo2.0」を打ち出すなど、GoToトラベル再開にも前向きな姿勢を見せていることから、観光需要回復の期待感が高まっている

10月4日に発足した岸田新内閣は感染症対策を進化させた「GoTo2.0」を打ち出すなど、GoToトラベル再開にも前向きな姿勢を見せていることから、観光需要回復の期待感が高まっている[写真拡大]

 緊急事態宣言が解除されて一月あまりが経った。今なお予断を許さない状況ではあるものの、ワクチン接種も順調に進み、行動制限の緩和、さらには「抗体カクテル療法」と呼ばれる治療薬を条件付きながら予防薬として使用することを厚生労働省が特例承認するなど、徐々に明るい兆しは見え始めている。

 それに加えて10月4日に発足した岸田新内閣は感染症対策を進化させた「GoTo2.0」を打ち出すなど、GoToトラベル再開にも前向きな姿勢を見せていることから、観光需要回復の期待感が高まっている。

 GoToトラベルの再開時期や詳細な条件、方法などについては、これから慎重な検証や協議が必要だ。しかし、10月7日には全国知事会や観光業界団体が、斎藤国土交通大臣にGoToトラベルの早期再開などを求める要望書を提出するなど、GoToトラベルをめぐる動きは活発になっている。

 そんな中、より積極的なアクションを起こしているのが積水ハウスだ。同社は2018年11月、世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルと共同で、地域や自治体、パートナー企業らとともに、観光を起点に地域経済の活性化を目指す地方創生事業「Trip Base(トリップベース) 道の駅プロジェクト」を旗揚げした。同プロジェクトで展開されるホテルはいずれも宿泊特化型で、各地域の「道の駅」に隣接しているのが特徴だ。ホテルを旅の拠点とし、食事やお土産などは道の駅をはじめとする地域の店などの利用を促すことで交流や往来を促し、地域の知られざる魅力を渡り歩く新しい旅のスタイルを提案していく。2020年10月、「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜清流里山公園」の開業を皮切りに、これまで5府県14か所でホテル展開を進めてきた。新型コロナ渦中の開業となったものの、旅行者はもちろん、地域の人々にも好評のようだ。

 そしてプロジェクト開始から2年目を迎えた2021年10月29日。同社は、「Trip Base(トリップベース) 道の駅プロジェクト」のセカンドステージとして、北海道、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県の8道県14か所で1,184室のホテルを2022年春より順次開業する計画を発表した。現在、地域経済の活性化を目指すために44社のパートナー企業と事業連携を進めており、2025年には26道府県にて約3,000室規模への拡大を目指すという。

 また、福岡県では「福岡の避密の旅」という、県民の県内旅行を対象にしたキャンペーンを展開しているが、ほぼ同じ名称で全国の旅行者向けに「ふくおか『避密の旅』+」という観光キャンペーンのPRも開始。

 

 地元福岡県出身の人気女優、今田美桜さんが出演する、癒しや出会い、リフレッシュなどをテーマにした4本のPR動画を公開し、県外からの観光客誘致にも乗り出している。

 旅行には行きたいけれど、コロナ騒動が完全に収まるまではやはり、できるだけ密になりそうな場所は避けたいと思う人も多いだろう。これまで大きな観光地の陰に隠れてしまっていた地域にとって、ポストコロナ時代は、地域の魅力をアピールする絶好のチャンスになりえるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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