東京都、LINEで独自のワクチン接種証明 セキュリティに懸念 ガイドライン違反の指摘も

2021年11月4日 16:12

印刷

記事提供元:スラド

東京都は11月1日からLINEを使った「TOKYOワクションアプリ」によるワクチン接種証明の導入を開始した。東京都が推進しているワクチン接種活動「TOKYOワクション」の一環として提供される(東京都プレスリリースITmediaImpress Watch)。

TOKYOワクションのLINE公式アカウントと友だち登録することで利用可能となる。手続きとしてはスマートフォンで接種記録と運転免許証などの本人確認書類を撮影して送信し、事務局が確認、LINEで応募アカウントより登録完了の通知が行われる。その後、画面上に接種証明が表示されるようになる。

日経クロステックの記事によれば、コンペの結果、博報堂が宣伝からシステム開発、事務センター運営までを一括で受注したという。協賛企業先での利用は11月15日から対応する予定。登録を行うと、電子クーポンや紙の割引券、オリジナルグッズなどの特典も検討されている。政府も国際的な基準に準じたワクチンパスポート提供を計画しているが、2021年12月中の公開予定となっていることや本人確認にマイナンバーカードが必要であることから、経済の活性化からみてもそれを待てないという声が現場から出ているという(日経クロステック)。

政府の進めている厳格なシステムよりも、一般に普及させやすい手軽な点を重視したとされている。反面、こうしたLINEを利用してシステムは、3月に発覚したLINEの個人情報保護問題によって策定された政府のガイドラインに違反しているとする指摘も出ている。渋谷区の住民票の交付申請と同様の議論になる可能性もある(なか2656のblog)。 

スラドのコメントを読む | ITセクション | 日本 | ソフトウェア | 医療 | Digital

 関連ストーリー:
ワクチン接種記録システムでデータの間違い。ワクチン接種証明書に影響する可能性も 2021年10月20日
イングランドのCOVID-19ワクチン接種証明システムダウン、旅客機に登場できない人が続出 2021年10月17日
省令改正でLINEを使った住民票の写しの交付申請を不可に、渋谷区は反発 2021年09月16日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事