NYの視点:FOMCドビッシュテーパー、来年の利上げ観測は根強い

2021年11月4日 07:35

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記事提供元:フィスコ


*07:35JST NYの視点:FOMCドビッシュテーパー、来年の利上げ観測は根強い
連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.00-0.25%に据え置くことを決定した。同時に、経済がFRBの責務目標に一段と近づいたためパンデミック対策として実施している資産購入策の規模を11月末から月150億ドル削減すると発表。11月の購入額は米国債を700億ドル、MBS350億ドルに修正する。12月以降も米国債の購入を100億ドル、MBSを50億ドル減らしていく計画で、来年半ばに購入を終了する計画。

ただ、声明では、インフレに関して、引き続き一過性の要因が物価を引き上げているとの見解を維持した。供給混乱が緩和すれば、インフレは弱まるとの予想で、来年の第2、3四半期にはインフレは弱まるとの見解。

また、利上げを巡り、会合後の会見でパウエル議長は労働市場の回復が必要で、「今は利上げの時期ではない」と指摘。また、利上げに向けて「FRBは辛抱強くなれる」とした。さらに、今回の会合の焦点が、資産購入策の縮小であり、利上げではなかったと強調し、利上げに関しては依然慎重な姿勢が明らかになった。

また、資産購入を縮小したとしても、FRBの金融政策が緩和的で引き続き経済に強い支援を供給することになると表明。

FRBのハト派的なテーパリングで米金利先物市場での早期利上げ観測が若干後退したものの、2022年の12月までの2回の利上げを織り込んでいる。ドルの上昇も継続か。

■FOMC
●政策金利:据え置き

●QE:
11月末から資産購入額を150ドル削減:米国債700億ドル、MBS150億ドル、12月はさらに米国債100億ドル、MBS50億ドル削減へ
「テーパリングでも、FRBの金融政策は引き続き経済に強い支援を供給する」
「金融緩和姿勢を維持すると予想」

●利上げ
「利上げに関し、FRBは辛抱強くなれる」
「今は利上げの時期ではない。労働市場の回復が必要」
「会合の焦点は資産購入の縮小、利上げではない」
「経済成長は第4四半期に強まる、今年のGDPは強い成長に」

●経済
「経済は目標に向けて前進した」「データによると、経済は引き続き強まっている」
「経済成長は第4四半期に強まる、今年のGDPは強い成長に」

●サプライチェーンの混乱
「サプライチェーンの混乱は想定以上に長引いている」

●インフレ
「インフレは一過性の要因により上昇」
「供給混乱が緩和すれば、インフレは弱まると予想」
「来年の第2、3四半期にはインフレは弱まるだろう」

●リスク
「FOMCは引き続きリスクに注意」「見通しリスクは存続」《FA》

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