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「DX2021」グランプリ企業:SREHDの伸長の中身を覗く
(画像: SREホールディングスの発表資料より)[写真拡大]
SREホールディングス(東証1部、以下SRE)。不動産セクターに分類され、「不動産仲介と、取引データを分析したAIアルゴリズム機能の提供が2本柱」と説明される。
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そんなSREの2021年3月期は、「90.6%の増収、41.5%の営業増益」。今期も「60.8%の増収(118億円)、27.8%の営業増益(13億5000万円)」計画で立ち上がり、第1四半期は前年同期比「71.4%増収、42.6%営業増益」と上々の出来で通過した。
前期の決算時点「不動産セグメント」を、「テクノロジーと不可分な事業の性質上から」とする理由で「不動産テックセグメント」に改称した。「テック」もまた、時代を象徴する称号と言える。SREの具体的な事業内容を前期決算段階で説明すると、以下の様な状況になる。
★不動産テックセグメント:a: 伝統的仲介業務+独自のAI不動産査定ツールを活かした仲介サービス。アイフラット(IoT技術を活かしたスマートホーム適用の個人向け賃貸マンション)の開発・(富裕層軸に)投資家への販売が順調。
⇒私募ファンドを介した物件売却&不動産事業全般でのDX化推進に注力。
⇒103.2%増収(約65億1211万円)、176.5%営業増益(約3億8074万円)。
★AIクラウド&コンサルティングセグメント:b: 「クラウドサービス」と「おうちダイレクト」に2分される。前者は不動産価格推定エンジンなどディープラーニング技術(豊富なデータを基に機械的に特徴を抽出する技術)を核に、AIを活かしたクラウドサービス。後者は「おうちダイレクト(無料で不動産価値を算出)」を介した、不動産仲介企業向け業務支援サービス。コロナ禍でも着実に拡充。
⇒中長期の多面的な需要を見据え日本ユニシスとの間で、不動産領域を超えた進捗を視野にしたデータアライアンスを締結。
⇒42.1%増収(約3億3650万円)、19.4%営業増益(約7億2689万円)。
SREでは、こう総括している。「上期のコロナ禍の影響等から復調。クラウドサービス・コンサルティングの大幅伸長、スマートサービスの収益性良化で大幅な増収増益となった」。
そして今後についても「aセクター」に関しては「不動産領域の付加価値の向上/外部パートナーとのデータアライアンスによる幅広い産業向けモジュールの創出/クロスセル強化による大幅増収増益」、「bセクター」では「コロナウイルス禍からの復調に加え、不動産×テクノロジーの浸透で回復基調継続」と発信している。
2014年にソニー不動産としてスタートしたソニーグループのグループ企業(現在もソニーグループが38.3%を有する筆頭株主)。経産省と東証による「DX企業2021」でグランプリを受賞。由緒正しき?不動産企業は、やはり注目に値するというべき存在と言えよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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