リログループ第1四半期を、経済再生の物差しとして信じたい!?

2021年10月22日 08:02

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 リログループ(リロG、東証1部)。「社宅の借り上げ・賃貸(a)」「企業の福利厚生のアウトソーシング受託(b)」「観光業(c)」「海外赴任時の着任から帰任に至るまでの(住宅手配等)支援(d)」が、事業の4本柱。そんなリロGの2022年3月期:第1四半期は「経済社会再生への変化を真に映し出している」と信じてよいのだろうか、と頭を悩まされる状況。

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 前3月期は、コロナウイルス禍の影響を受け「30.1%の営業減益、10円減配19円配」と落ち込んだ。だが今3月期は「一部コロナウイルスの感染拡大による影響を加味しながらも・・・、借り上げ社宅の管理業務や福利厚生の受託業務など(ストックビジネス)は堅調な推移を見込む」として、「4.9%の増収(3500億円)、36%の営業増益(170億円)、3円複増配の22円配」計画で立ち上がった。

 そして第1四半期(からIFRS:国際財務基準任意適用を勘案すると一概に単純比較は出来ないが)、「営業利益は前年同期比87.6%(39億6000万円)」となった。リロGでは4-6月期を、こう説明する。

 ★リロケーション事業:a: 借り上げ・賃貸管理戸数が増加。前年同期比9.1%の増収(190億6000万円)、67.2%の営業増益(30億7600万円)となった。

 ★福利厚生事業:b: 福利厚生代行サービスや顧客特典サービス(exカード企業のホルダー向けサービスの代行)を提供する企業数、また関連事業である住まい駆けつけサポートサービス(ex不動産管理会社と入居者をつなぐコールセンター代行のサービス)等が堅調に推移。0.4%増収(52億3200万円)、2.5%営業増益(23億5300万円)となった。
 一方・・・

 ★海外戦略事業:d: 徐々に顧客企業の海外赴任者数が回復。1.1%の増収(119億8300万円)、営業損失も4億5500万円から3億5300万円と回復基調。

 ★観光事業:c: 企業の保養所や地方の中小型ホテルの運営、別荘のタイムシェア事業などを手掛けているが売り上げ収益は1.1%増/営業損失6億5600万円損失から1億3400万円損失に改善。

 コロナ禍の影響は依然引き継ぎながらも、前記の主軸:ストックビジネスの「歴史⇔優良企業契約、という立ち位置の有効性が発揮されている結果」と捉えられなくもない。が、電話取材に応じてくれた広報マン氏は、「予断は許せないが、(経済再生に向けた)感触が認められ始めたという思いが芽生え始めていると捉えられると・・・」とした。

 リロGの第1四半期の収益動向は、経済再生感を足元で教えてくれるのではないだろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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