横浜銀行、金融工学テックのMILIZEに出資

2021年10月11日 11:47

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 横浜銀行(神奈川県横浜市)は8日、グループのファンドを通してMILIZEに出資したと発表した。MILIZEは、AIと金融工学を活用した資産管理プラットフォームを開発・提供する企業。横浜銀行はMILIZEの知見を活用し、新たな金融サービスの開発を行っていく方針だ。

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 出資は、横浜銀行とデジタルガレージが設立したDGインキュベーションが運営するHamagin DG Innovationを通してを行った。MILIZEはテクノロジーを活用し、豊富なデータに基づくアドバイスを行うライフプランシミュレーション「milizePro」などを展開している。

 リモート面談に適したクラウド型のツールで、ライフプランや保険額の資産だけでなく、運用シミュレーションや住宅ローン繰り上げ資産、資産取り崩し運用などワンストップでお金に関するコンサルティングが行えるサービスだ。

 横浜銀行は出資を通じて、こうした金融工学やテクノロジーを駆使したサービスと技術力を取り込む。自前のサービスと掛け合わせることで、資産形成や運用・保険・教育・住宅・老後・相続まで幅広い金融サービスの開発を2社で進める。

 Hamagin DG Innovationは、デジタルやテクノロジー分野で革新的なサービスを提供するスタートアップに特化して投資を行う。ファンド規模は30億円。

 また、MILIZEは同時にICMG共創ファンド1号投資事業有限責任組合にも第三者割当増資を実施している。同ファンドが属するグループは、日本だけでなく、シリコンバレーやシンガポールをベースに投資やプロジェクトを手掛けている。

 横浜銀行は今後も、有望なスタートアップやベンチャー企業に出資し、新しいテクノロジーを活用していく方針だ。IDC Japanによる「国内AIシステム市場予測、2019年~2023年」のよると、AIシステム市場は2023年に3578億円の規模に成長すると見られている。中でも金融業のAI導入は進んでおり、引き続きテクノロジーの活用は金融機関の重要施策と位置付けられる見込みだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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