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DX (下) DX化拡充で収益急伸のULSグループとは、どんな会社?
DX(デジタルトランスフォーメーション)が経済・企業記事に、まさに頻繁に登場している。「上」では「DXとは、なんぞや」を、私自身にも分かるように書いたつもりである。ご一読いただければ幸い。本校:上・下を書いたきっかけは、恒例の四季報読みだった。「秋号」が届いた早々にパラパラ読みをした。
【こちらも】DX (上) DXへの私の認識
目がとまったのは557頁の「ULSグループ(ジャスダック市場)」。【最高益】の見出しで業績欄が「DXが追い風になり・・・」と書き出していた。ちなみに特色欄には「ITシステムのコンサル、設計、構築担う」と紹介されている。正直、初めて知る企業。一読した後、業績推移・株価動向をまず調べた。
前2021年3月期は「12.6%増収、6.4%営業増益、20.8%最終増益、6円増配32円配」。そして今3月期は「7.1%の増収(77億円)、12.9%の営業増益(16億円)、12.1%の最終増益(10億円)、4円増配36円配」計画。確かに過去最高純益計画。と同時に驚かされたのは、「過去9期連続増収」「10期平均営業増益率26.2%」という事実である。株価もそれを反映していた。12年の初値で買い9年9カ月余り保有していると、株式分割を勘案した修正値ベースで投下原資は15倍近くに増幅している。
DXが追い風に・・・とはどういうことか。前期の決算資料には、こんな記述が確認できた。
『先端IT技術を活用し事業競争力強化を図る、いわゆるDXを推し進める企業からの旺盛な需要に対応するため、コンサルトの積極的な増員(前年度比12%増の34名増員)』
『主に金融・建設・製造及びサービス業等の主要顧客企業からの引き合いが堅調に推移するとともに、新規顧客からの引き合いも拡大した。売上高は12.6%増の71億9134万円、営業利益は20.8%増の14億1684万円と、ともに過去最高を記録した』
また今後についても、『DXを推し進める企業や公共部門からの需要は、長期的に益々堅調に推移するものと確信している』と言い切っている。
実際にどんな企業のDX化に寄与しているのか、が知りたくなった。8月11日付けの『ウルシステムズ、長谷工グループのDXプロジェクトを支援~デジタル技術を活用し、次世代のマンション管理を実現~』というリリースに出会った。前記の通り、同社の主要顧客の一角は建設業。ちなみにウルシステムズはULSグループの1社。長谷工のDX化にどう絡んだのか。
長谷工は18年10月から、IT投資戦略プロジェクトをスタート。その一環として、分譲マンション管理組合の運営負担を軽減する新規サービスをリリース。Webサイトやスマフォアプリを用いてマンション管理に関する議論・意思決定を可能にしている。ウルシステムズは実績を買われ、このサービスの企画段階から参加したという。
DX化推進の拡がりの時代、DX化を材料に浮かぶ企業も少なくはないと考える。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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