木造12階建てビルとGPIF継続採用で注目される、ヒューリック

2021年8月16日 16:37

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 7月28日の企業・産業欄に『木造ビル&木造マンションの時代が幕開け!』と題する一文を、また8月3日には『日本エスコンがESG投資の対象となる理由』なる原稿を投稿した。今回は、いわば双方の続編である。

【こちらも】木造ビル&木造マンションの時代が幕開け!

 前者では、今秋には東京・銀座に12階建ての木造ビルが登場する予定と記した。開発に当たっている主役企業は、主に貸しビル業を展開するヒューリック。詳細は省くが「木造建屋を積極的に展開すべし」と推奨する隅修三氏(元東京海上日動火災保険社長・会長、現相談役)は、「ヒューリックが銀座に12階建ての木造ビルを建てることになったのは、本当にうれしい」としている。

 皇居のお堀端に建つ東京海上ホールディングスも改築の計画がある。「木造か」という問いに隅氏は「・・・」と言及を避けているが、木造ということになれば「木造ビルの時代」は一気に加速しよう。

 後者では日本エスコンが何故、機関投資家のESG投資の対象になっているのかを具体的な事例から書いた。

 手元に7月21日に配信したヒューリックのニュースリリースがある。タイトルは『GPIFが運用対象とする4つのESG指数の構成銘柄に継続採用』。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は資金運用に際し、4つの指数をベンチマークにしている。「FTSE Blossom japan inndex」「MSCI ジャパン ESG セレクト・リーダーズ指数」「MSCI 日本株女性活躍指数」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」。一口で言えばESG(環境・社会・企業統治)投資の指標となる内外の代表的指数の中で格付けが高い銘柄(企業)。ヒューリックは4指数の観点から格付けの高い企業として、継続採用されたというわけである。

 GPIFにとどまらず、生保・損保・銀行等の機関投資家がESG投資対象としているであろうことは容易に想像できる。収益動向も順調。前12月期は「13.8%の営業増益、8.1%の最終増益、4.5円増配36円配」。そして今期も「9.3%の営業増益(1100億円)、2.1%の最終増益(650億円)」計画で立ち上がり、中間期を「営業利益:586億9100万円、純益:359億4300万円」で通過している。株価も過去9年半余でみると、調整済み株価で4倍近くのパフォーマンスを見せている。

 GPIFのESG指数継続採用銘柄を、投資対象の俎上にのせてみるのも一法と言えるかもしれない。エーザイ、カシオ、東陶なども浮上してくる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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