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ゲリラ豪雨発生を直前に予測 イベント参加者に提供の実証実験 三菱地所ら
三菱地所は26日、イベント運営者や参加者に対し、30分先までの気象予測情報を提供する実証実験を開始すると発表した。実証実験は、防災科学技術研究所(NIED)、情報通信研究機構(NICT)、日本気象協会、東京海上日動火災保険、東京海上ディーアールと協同で実施。近年頻度が増えているゲリラ豪雨等の気象予測情報を提供することで、屋外イベントでのリスク対策や予報による屋外での行動変容などの検証を行う。
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実験を行うイベントは、三菱地所が丸の内仲通りで開催する「Marunouchi Street Park 2021 Summer」(開催期間:8月2日~9月12日)。イベントでは同時に、AIによる人流計測で天然芝を敷いた緑化効果の検証も行うという。
■実証実験の概要
実証実験には、NIED、NICT、日本気象協会が開発した「豪雨直前予測」の技術を活用。NICTが手がける30秒で積乱雲の立体構造を把握できる気象レーダ「MP-PAWR」の観測データをベースに、NIEDが独自に積乱雲の発達状況を解析、日本気象協会が10・20・30分先の降雨予測情報を配信する。
運営者は、専用Web上やアラートメールで予測情報を確認できる。什器・機材等を雨から守る運用や、雨が上がるタイミングでの賑わいの回復方法などのオペレーションの検証を行う。イベント参加者は、まち情報を配信するサイト「TOKYO OASIS」で閲覧でき、降雨予測を知ることでの行動や、降雨が直前でわかることによる屋外の過ごし方など、行動の変化を検証する。
気象庁の2020年「日本の気候変動」によると、ゲリラ豪雨と呼ばれる短時間で局地的に発生する強雨の発生頻度は、近年増加傾向にある。ここ10年間(2010~2019年)に発生した、1時間で80mm以上降る(傘が役に立たない猛烈な雨)短時間強雨の回数は、統計開始後10年(1976~1985 年)との比較で、年間約1.7倍に増加。一方で、年間の降雨日数は減少傾向にあり、年間の降水量には変化は見られないという。
雨は大気中の水蒸気が雲の中で固まり地上に落ちてくる現象だ。空気は気温が高くなるほど水蒸気を多く含むことができる。近年の温暖化で、水蒸気が大気中に長い時間ため込まれる状態にあるため、降雨日数は減る一方で、1度に大雨が集中して降る状況が続いている。
今回の実証実験で、技術開発グループは予測技術の利活用を探り、東京海上日動らは気象情報の提供による行動変容を商品・サービス開発に活かす。三菱地所は、屋外都市空間の活用と丸の内仲通りのあり方検討を行っていくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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