「Bring=持ってくる」と覚えては英語は話せない!? コアで覚える英語 (13)

2021年7月18日 07:55

印刷

 bringは中学英語で出てくる単語であり、基礎的な英単語だ。英語が得意ではない日本人でもかなりの人が知っているのではないだろうか。そして多くの場合「bring=持ってくる」と教わっているのではないだろうか。しかしこれでは英会話では不十分といえる。「コアで覚える英語」13回目となる今回は、bringのコアを紹介しよう。

【こちらも】「take=受取る」と覚えては英会話上達しない!? コアで覚える英語 (3)

■bringのコア

 bringのコアは、「ある対象をある場所へ移動させる」であり、話し手、聞き手のいる場所に、対象の物や事を移動させるという意味を含んでいる。このコアが日本語の「持ってくる」に当たるのである。

■持ってくる以外の意味-(結果・効果など)をもたらす・~に至らせる・~させる

 以下に例文を紹介する。

 ・His music brings me the strength to survive this world.(彼の音楽が生きる力をもたらしてくれる)
 ・What the government has done brought the economy of this country stayed in a long time deflation.(政府の政策がこの国のデフレ脱却を困難なものにした)
 ・What brought you to come here?(なんでここに来たの?)

 最初の例文は「~が~へ何かをもたらす」という意味で使われているが、コアと照らし合わせて考えてみるとそのイメージが理解できるのではないだろうか。2番目の例文は更に発展して「~の状況に至る」と訳されているが、いずれもコアは同じである。最後の例文は「Why」の遠回しの表現として良く使われるので覚えておこう。

■フレーズで覚える

 コアイメージを体得するコツとして、フレーズで覚えてしまうのがおすすめだ。bringを使った日常で使うおすすめのフレーズを紹介する。

 ・What brought you here?(なんでここに来たの?)
 ・Bring it back.(元に戻す)
 ・That brings back my old memories.(それ懐かしいね)
 ・Don’t bring me down.(気分をへこませないで)
 ・Bring it out (才能・本質を出す)
 ・Bring the topic(話題を持ちだす)

■takeとの違い

 bringと似た意味を持つ単語にtakeがある。「bring=持ってくる」「take=持って行く」と覚えている人が多いかもしれない。しかし2つの単語はどちらも日本語の「持って行く」になりえる。以下の例文を見てほしい。

 ・I’ll bring something to drink.
 ・I’ll take something to drink.

 上記の例文はどちらも「何か飲み物を持って行く」と訳せる。ではどのように違うのだろうか。それはコアイメージから考えれば分かる。

 bringの場合は「話題の中心にあるものを移動させる」である。したがってI’ll bring something to drink (to your home).など「話し手の方へ飲み物を持って向かう」という意味が含まれている。takeはその逆で話し手の方から離れていくことを意味しているのが2つの違いだ。

 単語をコアで理解することでbringとtakeのような似た単語の違いを感覚で掴むことができる。訳語に頼らずコアを理解するようにしよう。(記事:newpowersoul・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事