駅ナカに個室のワークスペース増加 テレワークの受け皿に

2021年7月9日 08:11

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「STATION BOOTH」内部イメージ。(画像: JR東日本の発表資料より)

「STATION BOOTH」内部イメージ。(画像: JR東日本の発表資料より) [写真拡大]

 駅中に個室のワークペースが増えてきた。富士フイルムグループは東京地下鉄と協業し、「CocoDesk(ココデスク)」の名称で展開。JR東日本も、駅ナカにシェアオフィス「STATION WORK(ステーションワーク)」の設置数を拡大している。テレワークの需要とマッチしており、移動時間ロスが無い点が受けている。

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 空き状況をネットで確認し、予約したらスマホで開錠するだけで利用できる。15分単位など短い時間から利用できるため、隙間時間を有効活用することが可能だ。こうしたワークスペースには、Wi-Fiや電源コンセント、空調などが備わっており、換気や抗菌にも配慮されている。ブースになっているため、気兼ねなく声を出してWeb会議に参加できるというメリットもある。

 JR東日本は2018年11月からステーションワークの実証実験を開始しており、現在は全国約190拠点のネットワークを構築している。2023年度中までに1000カ所まで拡大する計画だ。

 東京メトロは7月6日、新たに8駅計13台のココデスクを設置した。合計32駅37台となる。京王電鉄や京急電鉄も相次いで設置する。ココデスクは個室のため人との接触がなく、コロナ禍でも安心安全にテレワークが行える。駅ナカだけでなく、オフィスビルのエントランスや商業施設などでも利用されており、現在までで設置総数は77台となった。

 富士フイルムグループはテレワークによる需要増加を見込んで、2020年2月から個室型ワークスペース「ココデスク」の提供を開始した。東京メトロと実証実験を行った後、京急など私鉄大手や、オフィスビルの管理会社などと協業し、設置を広げてきた。

 また、ココデスクをオフィス向けにアレンジした1人用ブースや、2人用ブースも展開する。周囲の音を遮断する必要のあるWeb商談や、契約や人事など機密性の高いミーティングに活用できる。

 新型コロナウィルスの感染拡大の影響で働き方の多様化が進んでいる。通勤通学のインフラである鉄道各社は「移動」が少なくなった今、テレワークの受け皿になることで新たな収益確保に挑む。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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