ロエベ 2022年春夏メンズコレクション - 弾ける色彩、波打つ表層

　ロエベ(LOEWE)の2022年春夏メンズコレクションが発表された。

■弾けるような色彩感

　鮮やかな色彩が、弾けるようにして散りばめられる。レザーパーカーのオレンジ、透けるほどに軽やかなニットのイエローやピンク、あるいはブーツのグリーンやピンク──シンプルな形状ゆえにいっそう、多彩な素材にのせられた色彩が、溌剌と自己を主張する。

■レイヤーと官能

　いま、「透けるほどに」と書いた。そこには、その下層にあるべきインナーなり素肌なりがほのめかされる。軽やかなニットはゆったりとしたシルエット、緩やかにドレープを織りなしつつも、あくまで軽やかなレイヤードスタイルに。ストリングを連ねたようにデザインしたパンツもまた、シルエットに自由な流動性をもたらしている。

　一方、一見シンプルなプルオーバーには、フロントに大きさが徐々に変化するホールを設けることで、ヴィヴィッドなグラフィックをレイヤー構造で生みだした。

　では、素肌はどうか。ドレープを連ねたようなトップスはさながらドレスのよう。光沢感を帯びたテキスタイルの波打つような表情、そして素肌を見せる間隙とが、鮮烈なコントラストを生んでいる。また、ロング丈のニットやパーカーにも裾付近にホールを設け、さりげない抜け感を与えた。