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米FDAのアルツハイマー病治療薬迅速承認、諮問委員3名が辞任
米食品医薬品局(FDA)によるアルツハイマー病治療薬Aduhelm(一般名: アデュカヌマブ)の迅速承認に研究者らが強く反発しており、FDAの諮問委員3名が辞任する事態にもなっているそうだ(Biocenturyの記事、Ars Technicaの記事[1]、[2]、Aaron Kesselheim氏の辞表: PNG)。
アルツハイマー病患者に対するアデュカヌマブの効果に関しては、否定的な研究301と肯定的な研究302がある。これらの研究はバイオジェンとエーザイが2019年3月21日に主要評価項目を達成できる見込みが低いとして中止した臨床第III相国際共同試験に関するものだ。中止の判断は2018年12月26日までのデータに基づいていたが、その後2019年3月20日までのデータを分析した結果、研究302では効果が出ていたらしいことが判明したという経緯がある(PDF: p19)。
諮問委員会では研究302の結果を有効とするかどうか昨年11月に採決を行い、賛成0、反対10、確信なし1という結果(PDF: p318)を出していた。しかし、FDAでは採決の後で要件を緩和することを決定し、アルツハイマー病のバイオマーカーとされるアミロイドβプラークを減少させる効果があることを理由にアデュカヌマブを承認している。
今回辞任を表明したのはAaron Kesselheim氏と Joel Perlmutter氏、David Knopman氏。Kesselheim氏とPerlmutter氏は11月の採決で反対票を投じており、Knopman氏は採決には加わらかなったもののアデュカヌマブの効果はほとんどないとコメントしていた。アルツハイマー病治療薬のFDA承認は歴史的な出来事であるが、Kesselheim氏はFDA史上最悪の決定だと批判している。
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