「育休取りたい」と会社に言える? 普段からの社内コミュニケーションで、上司を「祖父母化」しておくコツとは(連載第2回)

2021年6月11日 11:17

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記事提供元:biblion

 (連載第2回)日本ではまだ数パーセントしかいない、男性の育休取得者。でも、いま確実に育休をとる男性が増えています。なぜでしょうか? 本連載は、書籍『なぜパパは10日間の育休が取れないのか?』から、パパたちが育休と向き合うことでどんなことを考え、感じ、乗り越えてきたのか、実際のSTORYとあわせてお伝えします。本連載は7回を予定しています。ご興味いただけた方は記事最後に紹介している書籍『なぜパパは10日間の育休が取れないのか?』もぜひご覧ください。

「育休取りたい」と会社に言える? 普段からの社内コミュニケーションで、上司を「祖父母化」しておくコツとは(連載第2回)

 本連載は、書籍『なぜパパは10日間の育休が取れないのか?−家族も、自分も、会社も、みんなが幸せになる育休の取り方・過ごし方・戻り方−』(2021年4月発行/著者:成川 献太、パパ育休2.0プロジェクトメンバー)の一部を、許可を得て抜粋・再編集し収録しています。

育休について理解し、取得までの手続きをスムーズに進めるには

 育休の取得を考えていることを会社や上司に伝える際、「何となく言い出しにくかった」と話すパパたちが少なくありませんでした。
 実際、周りの評価をあまり気にしない私でも、いつのタイミングで相談するか、どのような切り口で相談するか、非常に迷いました。

 制度的には育休取得の1カ月前に申請をすれば取ることができるのですが、できるだけ前もって相談しておく方が、会社も自分のゆとりをもって仕事の引き継ぎをすることができます。
 中には、1年以上前から「もし子どもができたら育休の取得を考えている」という切り口で上司に相談していたパパもいました。

 今回の記事では、「育休前〜育休取得を決めるまで」の段階で、育休パパたちにどんな迷いや課題があり、それをどう解決していったのか、実際のSTORYとともに紹介していきます。

【STORY】「部下に育休を取らせたい」そう思わせるための上司家族化計画

 このSTORYを話してくれた方
 ・育休パパ 成川潤さん
 ・職業 会社員(海外施工管理部門)
 ・家族構成(育休取得時) 妻(会社員)・長男(3カ月)
 ・育休歴 1人目が生まれた3カ月後から半年間の育休を取得男性の育休取得を奨励することが社会現象となるつつある昨今では、育休は権利であり、それを認めるのは会社や上司の義務であり、権利を行使しない・させない人は外道だ! と言わんばかりの世の中に見えます。
 たしかに、育休は家族にとっても、本人にとっても、めぐりめぐって会社にとっても素晴らしいものだとは思いますが、少し息苦しくなる人もいるんじゃないかなあと想像します。

 そこで、会社や本人、家族もみんなが気持ちよく育休を取れるようにするため、自分がやってよかったと思えること、こうやっておけばよかったなと思うことをお伝えしていきます。

目指すべきは「上司の仲人化、祖父・祖母化」

 結論から言うと、上司に「あいつが嫁とうまくいってるのは俺が仲人をしてやった(ようなもんだ)」「あいつの息子は俺が育ててやった(ようなもんだ)」と言わせたら勝ち、ということです。自分事化してもらう、とも言い換えられます。
 育休は権利なのに、何でそんなめんどくさいことをしなければいけないの? と思う方もいらっしゃると思いますが、少し話を聞いていただきたいと思います。
 
 育休取得をどんなに世間が後押しをしても、会社が認めても、その直接的なつけが回ってくるのは取得者が所属する組織の長、つまり上司です。彼・彼女の身になって考えると取得者不在の間の穴をどう埋めるのか、頭が痛くなるのも分かります。

 もちろん世の中の風潮や時代の流れも分かっているけれど、限られた時間・人手・予算の中で、あらゆるハラスメントに気をつけながら、求められる成果を出し続けなければならないという圧倒的なプレッシャーを何とか耐え抜いて日々を過ごしているとき、ある日突然「1カ月後に育休を取ります」と部下から言われたら……。
 頭では分かっているけれど心がついていかない、という状態になってもおかしくないと思います。それを分かっているからこそ、「育休を取ります」と言えない人も多いのではないだろうかと考えました。

 では、どうすれば良いのでしょうか。
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家族の存在を意識してもらうコミュニケーション

 前述の息苦しい状況を打破するためには、上司が「あいつに子どもができたら育休取るって言うんだろうなあ」と想像してもらうことが重要だと思います。
 そのためには、普段から家族の存在を意識したコミュニケーションを心掛けるというのが僕の提案です。

 5W1Hで解説します。
 
 What
 「ちょっと聞いてくださいよー。今妻と喧嘩してるんですけど、YYYしたのがダメだったみたいで。明らかに僕は悪くないですよねー」とか、「今度結婚記念日なんですけど、全然準備してなくて。XXさんがうまくいった方法を教えてください!」とか、自慢話ではなくなるべく泣き言を聞いてもらうのが重要なのかなあと。
 
 When・Where
 プライベートのことを共有しても良い、カジュアルなチームの定例会やWebミーティング開始前の雑談タイムにさらっと言うこと。
 ちなみに、しっかり時間を取ると深刻すぎるのでご注意を。
 
 Who
 もちろん上司。上司の上司も含めても良いですし、部下も入れると弱みを見せられてなお良いです。
 仕事で弱みを見せると評価が下がる可能性がありますが、プライベートのことだとその心配もありません。
 
 How
 できれば対面で。Webでも顔を出して話した方が良いと思います。泣き言を笑いながら言うと効果大かもしれません。
 
 Why
 普段から、自分だけではなく家族の存在を意識してもらうことで、ある意味上司自身も家族の一員、もしく家族も組織の一員のように考えてもらえる、という視点もあります。
 いざ育休を取るときにも「まあそうだよな」と納得して、配員調整や、上司の上司の説得に一肌脱いでもらえる関係づくりができる可能性もあります。
 
 以上が育休取得者からのワンポイントアドバイスでした。
 もちろん育休は権利なので、こんなことをしなくてもいいと思いますが、復帰後も職場で良好な関係の中で働きたい人は、やっといて損はないと思います。

日頃からの良好なコミュニケーションがポイント

 成川潤さんのお話からは、普段から上司に家庭の状況を相談(シェア)しておくことで、いざ育休取得の相談をするときにも、言い出しやすくなるということが感じられます。

 会社の上司や同僚と日頃から良好なコミュニケーションを図っておくことは、仕事をスムーズに進めていく上でも大切になってくると思います。
 もちろん、どこまで自分の家庭状況をシェアするかは人によって異なりますが、育休の取得を考えている人は、普段からパートナーの話をすることで「何となく言い出しにくい」という雰囲気を、少しでも軽減できる可能性を秘めていると感じました。

著者:成川 献太

著者:成川 献太広島県で小学校教員を務める3児の父。第3子誕生により、2020年8月より1年間の育休を取得。その際「家族との向き合い方」で悩んでいたところ、他のパパたちも同じように悩んでいることを知る。家族と向き合うパパママを増やしたいと、出版プロジェクトに向けて行動を開始。育休&共働きコミュニティ「ikumado」メンバー。

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