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アステラス製薬、早期退職実施 450名程度
アステラス製薬(東京都中央区)は3日、450名程度の早期退職者を募ると発表した。対象者の退職日は2021年末日となる予定だ。急激な事業環境の変化に対応するために、経営資源の配分を見直す。
アステラス製薬と国内グループ会社のアステラスファーマテック、アステラスグリーンサプライが対象。早期退職優遇制度を採用し、退職金を積み増すなどの優遇措置をとって退職希望者を募集する。同社は2030年度に向けた中期経営改革を5月下旬に策定しており、その実現に必要と判断した。
計画では、エンザルタミドと重点戦略製品の売上げを2025年度で1.2兆円以上、独自に定めた焦点領域プロジェクトからの売上げを2030年度で5000億円以上を目指す。またコア営業利益率を2025年度で30%以上にすると目標設定している。
成果目標の達成で利益を大きく改善し、2025年度に株式時価総額7兆円以上を達成したい考えだ。
実現のための戦略として、製品を遅延なく承認申請にかけ、グローバル展開までの期間短縮を図る。革新的な医薬品を創出すべく、定めた焦点領域への経営資源の優先的投下も行う。現在、2025年度末までに臨床での有効性確認の見極め時期を迎える予定のプロジェクトが、30あると言う。
こうした施策の実行で、アステラス製薬は年平均成長率8%の売上げ拡大を見込んでいる。同時に2025年度の販管費を2020年度と同水準の3900億円に抑える計画だ。販管費率は21%まで低減できる見込み。
計画通りに進めば、研究開発費は対売上比率で19%、3500億円まで増額しても2025年度のコア営業利益率30%以上が達成できる試算だ。
中長期の成長シナリオを盤石にすべく、研究開発費などに資源を投下し、競争力や価値向上に寄与しないコストを徹底的に見直す。
同社の2020年度の売上高は1兆2495億円。2021年度は5.9%増の1兆3230億円になる見通しで、増収増益の予測をしている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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