AI活用「解析カメラ」の威力

2021年6月4日 08:14

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テラスの実証実験風景(画像: オンザウェイの発表資料より)

テラスの実証実験風景(画像: オンザウェイの発表資料より)[写真拡大]

 AIの2文字を目にしない日はない、と言って過言では今日この頃。今日も、「AI解析カメラ:TERAS(テラス)」なる新製品が3月から発売されているという事実を知った。オンザウェイ。「老舗」にカウントされる、無線機器のリース・レンタルを手掛ける企業が開発の主。

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 イベント会場や一定エリアにいる人数をリアルタイムで把握でき、かつ性別・年齢層も認識できるという。集客のマーケティングなどに、もってこいの商品と言える。

 オンザウェイを知る若手フリーライターによると、「無線機のレンタル事業を深耕する中で、取引先のイベント企業との雑談から生まれた逸品」だという。

 『来客人数や年齢層などの集計を行うのが面倒』というのが雑談の中から飛び出したフレーズ。オンザウェイでは3-4年前から、遠隔から状況を把握できるカメラソリューションを手掛けていたことから「サーマルカメラ(監視カメラの1種)とAIを結びつけることで、解決することが可能ではないか」とテラスの開発に乗り出した次第。

 テラスの基本機能は、「マーケティング」と「セキュリティ」。具体的には「通過カウント(定めた一定の線を超えた際に人数をカウントする)」「俯瞰カウント(遠隔地から異常が起こっていないかを判別する)」「人物属性抽出カウント(年齢・性別を捉える)」の3機能。

 加えて「体温検知」「侵入検知」「異常な行動/トラブル検知」「人の転倒検知」なども可能。つまり「異常な状況」を予め設定しておけば、現に起こった際に管理者に連絡される。仮にカメラの導入場所の基準定員を100人以下に設定しておくと、100人を超えると早々に管理者のパソコンやスマホに通知が送られる。

 収集したデータをAI処理する方法は2種類。撮影した映像やデータをクラウド上で解析する方法と、『エッジ AI BOX(大量情報をAI処理する装置)』での解析。後者はWi-Fiなしで、管理者が現地のサーマルカメラに写る状況を確認することができる。

 考えようによっては、(悪い奴には)怖い。周知の通り昨今では防犯カメラがいたるところに設置されており、犯罪者逮捕の武器となっている。既存の防犯カメラに、テラスのシステムのみを導入することも可能だという。防犯カメラの設置者や警察にとっても価値あるものと言えそうだ。

 現状ではイベント会場業者への売り込みが主だが、商業施設やテナントビルなども視野に入れているという。ちなみに1日レンタルから月額利用のサブスクリプションもOKとか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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