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『クワイエット・プレイス』続編、全米オープニング興収はコロナ禍で最高に
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5月28日、映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が日本に先駆け全米公開され、パンデミック以降で最高となる初週末53億円の興行収入を上げた。
大ヒットホラー『クワイエット・プレイス』の続編にあたる本作は、「音を立てたら即死」という極限の状況を描く。未知のモンスターによって荒廃した世界で、息をひそめて生き延びるエヴリン一家が主人公だ。
●社会現象となったホラー映画の続編
前作『クワイエット・プレイス』が公開されたのは2018年。新体感ホラーとしてSNSを中心に話題となり、最終的には全米累計興収1億8,800万ドルを超える大ヒット作となった。
ちなみに、同作はアメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が選ぶ2018年の映画ベスト10にもランクイン。名実ともに傑作ホラーの仲間入りを果たしている。
●延期を繰り返した末の公開
引き続きジョン・クラシンスキー監督がメガホンを握った本作『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』だが、実は新型コロナウイルスの影響によって公開が1年以上も遅れていた。世界中のホラーファンから期待を集める中、ついに5月28日、待望の全米公開となったのである。
蓋を開けてみれば、同日公開のディズニー映画『クルエラ』を押しのけ、オープニング3日間で4,835万ドル(53億円)の興行収入。公開初週の数字としては、近年では『ソニック・ザ・ムービー』(2020年2月公開)に次ぐものであり、コロナ禍となって以降は最大の記録である。
●映画館の「沈黙」を活かした演出
『クワイエット・プレイス』が大ヒットした背景にあるのは、映画館の「沈黙」を逆手に取った演出手法だ。
主人公であるエヴリン一家を襲うのは、わずかな音に反応する怪物である。足音を立てることも、小声でしゃべることも許されない。死と隣り合わせの状況下で、家族たちは裸足で屋外を歩き、手話を通してコミュニケーションを取るのである。
こうした究極の「沈黙」は、映画館の観客にまで伝播する。ただでさえ上映中は静かであることを強いられる。おしゃべりは禁止。携帯電話でも鳴ろうものなら大顰蹙を買うだろう。
そんな環境で本作を観ようものなら、いつも以上に息を押し殺してしまうに違いない。劇場という特別な空間が、登場人物たちの置かれている状況と重なって見えるのである。
●いまこそ劇場でホラー映画を
VOD(動画配信サービス)が広く普及し、どこにいても高品質の映画が楽しめるようになった今日。それでも「映画館に行く」とは何を意味するのか。その1つの答えが『クワイエット・プレイス』という映画体験ではないだろうか。
映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』の日本公開日は6月18日(金)。本作をカンフル剤として、コロナ禍の劇場にふたたび活気が戻ることを願ってやまない。(記事:村松泰聖・記事一覧を見る)
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