NYの視点:今週の注目:米小売、CPI、PPI、JOLT、クラリダFRB副議長

2021年5月10日 07:35

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記事提供元:フィスコ


*07:35JST NYの視点:今週の注目:米小売、CPI、PPI、JOLT、クラリダFRB副議長
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から減少した。

今週は米国経済指標でインフレ指標や小売り、労働市場のスラックを確認するためにJOLT求人件数などに注目が集まる。また、金融政策を探る上で、クラリダFRB副議長の講演にも注目。インドなどの新型コロナウイルス変異種感染拡大の動向には引き続き注意が必要ながら同時に、英国では17日から海外への渡航が解禁される方向で、回復期待も強まりつつある。

パンデミックの影響が根強く供給と需要の混乱にインフレは短期的に上昇が予想されている。特に、FRBがインフレ指標として注視している変動の激しい食品や燃料を除いたコアの4月CPIは前年比で2%を上回る見通し。また、経済の7割を消費が占めるため小売売上高にも注目される。3月分は経済対策の一環の国民への直接資金供給が奏功し大きく伸びたが、4月は伸びが鈍化する見込み。

4月雇用統計では雇用が100万人近くの増加が予想されていたことに対し、26.6万人の増加にとどまった。失業率も6.1%と、3月予想外に上昇すするなどネガティブサプライズとなった。パンデミックの影響でサプライサイドの混乱が続いたこと、一部の学校がいまだに休校中で女性の雇用に影響を与えた。ただ、季節的な調整も大きく、調整前の数字は100万を超える雇用の増加を示している。イエレン財務長官はひと月のみの指標の結果だけで、状況を判断するべきではないと指摘。3カ月平均では50万人を超える強い雇用の伸びだと主張した。イエレン長官がFRB議長時代に好んで使用していたJOLT求人件数の3月分で、労働市場のスラックの状況をさらに詳しく見極めていく。どちらにしても、サプライサイドの問題解決には時間がかかり、米連邦準備制度理事会(FRB)も長期にわたり大規模緩和を維持する可能性が強まったため、ドルの上昇も緩やかなペースに留まる可能性がある。


■今週の主な注目イベント
●G7

●米国
10日:エバンズ・シカゴ連銀総裁イベント参加
11日:3月JOLT求人件数、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事、デイリーサンフランシスコ連銀総裁、ウィリアムズ米NY連銀総裁が講演や、イベント参加
12日:4月消費者物価指数(CPI)、クラリダFRB副議長
13日:4月生産者物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数、ブラード・セントルイス連銀総裁が討論会参加
14日:4月小売売上高、4月輸入物価指数、4月鉱工業生産、設備稼働率、3月企業在庫、5月ミシガン大学消費者信頼感指数、カプラン米ダラス連銀総裁が討論会参加

●中国
11日:PPI、CPI

●欧州
11日:独5月ZEW景気期待指数

●英国
12日:GDP《FA》

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