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スピードの遅い英語は必要ない! ナチュラルスピードの英語を聴き取る方法
リアルなネイティブ同士の会話と比べて、教材の英語はゆっくりとしたスピードで明瞭に話される。初級レベルには有用だが、リスニングの早期上達を目指すのであれば、スピードの遅い英語をいつまでも聴くのはよくない。自分には速すぎると感じても、ナチュラルスピードの英語で訓練すべきだ。
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■教科書とリアルな英語の違い
ネイティブの自然なスピードの英語を聴いて、すんなり理解できる人はそれほど多くない。そこで、「理解できないのは速すぎるからだ。スピードを遅くすれば理解できるはず」と思うのは早計だ。
確かにスピードダウンして一語一語はっきり聴き取れるようになるなら、それにも益はありそうだ。しかし、ナチュラルな英語が理解できないのは、スピードだけでなく、それ以外の要素に起因していることがほとんどである。
そもそもネイティブのナチュラルスピードの英語が理解できないのは、これまで習ってきた教科書英語とは大きく異なるからだ。教科書の英語は、文法的に正しく理解しやすい文章で構成されている。しかも、それを読むのはプロの声優で、正確に伝わりやすいよう、明瞭に話してくれている。音質にもこだわっており、英語のリスニングにはまさに理想的な教材だ。
ただ、現実に話される英語は、教科書の英語とはまったく異なる。一語一語はっきり発音してくれるわけではなく、リエゾン(語尾と次の語頭の音がつながること)は日常茶飯事だ。それに、現実の場では生活音や雑踏などノイズも多い。したがって、スピードだけ遅くしても、ネイティブのナチュラル英語が教科書英語のようにクリアに理解できるようになるわけではない。
スピード以外の理解を妨げる要素として、語彙の問題もある。自分にとって未知の語彙を使われては、どんなにゆっくり話してもらったとしても理解できないのは当然だろう。日常会話で用いられる語彙程度に不安があるのなら、まず語彙増強に力を入れるべきだ。
■「読めばわかるのに聴いてわからない」を克服するには
では、どうやってナチュラルスピードの英語を聴き取れるようになるかだが、それにはトランスクリプト付きの音声を利用するのがベストだ。ポッドキャストやYouTubeの英語番組には、トランスクリプトや字幕が用意されているものも多い。聴いた英語を目で見て文字で確認することは容易である。
聴いてわからなくとも、読めば理解できるというケースは多い。知っている単語なのに聴いてわからないのは、その単語が実際の会話の中でどのように発音されるかを知らないからだ。頭の中の理解とリアルな発音の間にギャップがあるのなら、トランスクリプトで確認しながらそれを埋めていけばよい。あとは、一聴して認識できるまで何度も繰り返し、実際の音声に慣れていくだけだ。
このように、ナチュラルスピードの英語を聴き取れるようになるために、スピードの遅い教材英語の助けは必要ないのである。むしろ、それに慣れてしまうことによって、いつまで経ってもリアルな英語とのギャップに苦しむことになってしまう。最初からフルスピードの英語で、(ただし、必ずトランスクリプトを用意して)訓練しよう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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