ホンダ、新型「ヴェゼル」発売 新エンジン採用 空力はHRD Sakuraも協力

2021年4月26日 07:29

印刷

新型VEZEL(画像: 本田技研工業の発表資料より)

新型VEZEL(画像: 本田技研工業の発表資料より)[写真拡大]

  • 新型VEZEL(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • 新型VEZEL e:HEV Z(画像: 本田技研工業の発表資料より)

 本田技研工業は23日、世界で累計384万台を販売している都市型SUVクーペ「VEZEL(ヴェゼル)」の新型モデルを、全国のホンダディーラーにて販売を開始した。今回のフルモデルチェンジは純粋な進化ではなく、今の時代に対応するため「Hondaらしさ」を追求した1台としており、ターゲット層は世代性別を超えて現代の新しい価値観を持った人たちである「Generation C」に設定したという。

【こちらも】ホンダ、世界初の「自動運転レベル3」搭載したレジェンド発売

 グレードはe:HEV X、e:HEV Z、e:HEV PLAY、Gが設定されている。価格は227万9,200円から329万8,900円。

■行動半径をAMP UPする荷室空間とユーティリティ

 リア席は先代と同様のチップアップ&ダイブダウン機構付6:4分割可倒式を採用している。さらにセンタータンクレイアウトであることによって、フラットで積み下ろしのしやすい荷室空間を確保した。

 設計段階では実生活を想定し、キャンプ道具、ゴルフバッグ、マウンテンバイクといったモジュールの積み下ろしを行い、その結果として開口部地上高はモジュールを積み下ろししやすい高さに設定されている。

 テールゲートは通常の手動式とハンズフリーアクセスパワーテールゲートとが設定された。ハンズフリーアクセスパワーテールゲートには「予約クローズ」機能が採用され、クルマから離れると自動でテールゲートが閉じる仕様。

 収納類はユーザーの手が自然に届く距離に配置。容量の拡大や機能追加も合わせて行っている。フロントコンソールのアッパートレーとアンダートレー(LED照明付)や、シートバックポケット&スマートフォンポケット(タイプ別設定)などを備えている。

■パワートレーン

 新型VEZELでは、e:HEVモデルが、FITのパワートレーンを高出力化した2モーターハイブリッドシステムを採用。燃費はe:HEV XのFFがWLTCモードで25.0km/L、4WDが22.0km/L、e:HEV ZのFFが24.8km/L、4WDが22.0km/L、FFのみのe:HEV PLAYが24.8km/Lとなっている。

 今回採用された2モーターハイブリッドシステムe:HEVのポイントは、各モジュールの容量などを増やしたことにある。バッテリーセルを格納しているIPUは、先代とほぼ同じ高さでバッテリーセルを48個から60個に増やし、大きなモータートルクを発することができるようになった。PCUは先代ではIPUに配置されていたが、エンジンルームに移動し、12V DC-DCコンバーターや、新技術を用いたスイッチング素子などを集約している。さらにe:HEV化したことでモジュールは2倍になったものの、小型化に成功している。

 新開発の1.5L DOHC i-VTECエンジンは、普段使いの使いやすさを徹底追求した。先代は発進時の加速フィーリングに波があったが、新型は加速Gが右肩上がりにスムーズに立ち上がり、時間がたつにつれゆっくり落ちる。これによりドライバーの操作への応答性が良く、あつかいやすいものになった。

 アクセル全開で走行する場合は、全開加速ステップアップシフト制御を採用したことにより、リズミカルなエンジン回転数の変化及びエンジン音を実現している。1.5L DOHC i-VTECエンジンに組み合わされたCVTは、ギヤのローレシオ化などで新型VEZELに合わせたチューニングを施している。

■空力性能はHRD Sakuraの風洞で徹底追及

 エクステリアデザインは水平基調とし、フロントのコンビネーションランプからテールランプまでを一直線につなげたようなデザインとなっている。

 またコンパクトSUVトップクラスの空力性能を目指すべく、Honda F1を支える施設HRD Sakuraの風洞施設で検証を重ねた。その結果、前輪側面の空気の乱れを抑制するフロントバンパー下部のエアカーテンスリットや、リアウインドウ横の空気の巻き込みを抑制するリアサイドスポイラーなどを採用。空気を整流することで後輪側面の乱れを抑制するサイドシル後端リップや、シンプルなディフューザー形状を採用したリアコンビネーションランプなど、多くの空力制御パーツを搭載した。

■つながるHonda CONNECTシステム

 Honda CONNECTシステムはHonda車専用車載通信モジュール「Honda CONNECT」を介して、Honda CONNECTディスプレーや、Gathers、テレマティクスコントロールユニット、Bluetoothなどからサーバーに各種データを送信し、さまざまな機能が使えるようになる。

 ドアロック解除やエンジン始動がスマートフォンで可能となる「Honda デジタルキー」、エアコン操作、駐車場などでのマイカー検索、ドアロックし忘れ通知などが可能となる「Honda リモート操作」が可能に。その他にも「車内Wi-Fi」、「Honda アプリセンター」や「Honda ALSOK駆けつけサービス」などが使用できる。

■Honda SENSINGも大幅進化

 新しいHonda SENSINGには最新の高速画像処理チップとフロントワイドビューカメラを採用し、大幅な性能アップを図った。フロントワイドビューカメラの有効水平画角は約100度と、側道からの車両の侵入などを即座に検知できる。さらに検知性能の速度を向上するために新たに防雲ヒーターを採用した。フロントガラスに対して作動し、曇りを防止することで検知スピードを上げている。

 その他にも衝突軽減ブレーキ(CMBS)や渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)、誤発進抑制機能や、ブラインドスポットインフォメーション(タイプ別設定)なども備えている。(記事:キーパー・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事