JSPは調整一巡、需要回復基調で21年3月期営業・経常増益予想、22年3月期も収益拡大期待

2021年4月20日 09:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 JSP<7942>(東1)は発泡プラスチック製品の大手である。成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。21年3月期は4月12日に上方修正して営業・経常増益予想としている。自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期も収益拡大を期待したい。株価は上げ一服の形となり、上方修正に対しても反応薄だったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■発泡プラスチック製品の大手

 発泡プラスチック製品の大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。

 20年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業35%、ビーズ事業60%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業37%、ビーズ事業61%、その他2%だった。収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。

 なお20年11月に、欧州のグループ会社における資金流出事案(発生時期20年10月下旬から11月上旬)を発表している。流出した資金の保全・回収手続に全力を尽くすが、損失見込額は最大約10億円としている。また20年12月には、米国子会社JSP International Groupの電子線架橋ポリエチレンシート事業について、需要拡大が見込めず生産効率改善も進展しないため、撤退して会社清算(21年6月末予定)すると発表した。

■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進

 長期ビジョン「VISION2027」で、目標値に28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げ、成長戦略を推進している。

 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。

 自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)は、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。中期成長ドライバーとして期待される。

 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成(19年1月)して東西2大生産拠点体制を構築している。

 新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売し、デンカ<4061>と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。

 また道路擁壁として多くの実績を積み上げている「J-ウォールブロック」は、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された。サステナビリティ経営では、欧州の自動車メーカーからリサイクル原料使用の要求が強く、原料にリサイクルポリプロピレンを用いたARPRO REの採用が始まっている。

■21年3月期は上方修正して営業・経常増益予想

 21年3月期連結業績予想は4月12日に売上高・利益とも上方修正して、売上高が20年3月期比9.6%減の1025億円、営業利益が13.0%増の52億円、経常利益が3.6%増の54億円、親会社株主帰属当期純利益が25.8%減の27億円としている。配当予想は20年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比11.0%減の761億45百万円、営業利益が6.3%減の40億38百万円、経常利益が4.9%減の41億52百万円、四半期純利益が7.5%減の30億58百万円だった。

 累計ベースでは全体として減収減益だった。新型コロナウイルスによる世界経済収縮の影響で、ビーズ事業の自動車分野を中心に需要が減少した。押出事業は産業資材の汎用製品などの需要減少で4.4%減収だが、生産合理化による固定費削減効果で21.6%増益だった。ビーズ事業は自動車メーカーにおける工場稼働停止などの影響で14.4%減収、21.0%減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高248億15百万円で営業利益9億16百万円、第2四半期は売上高232億65百万円で営業利益3億68百万円だったが、第3四半期は売上高280億65百万円で営業利益27億54百万円だった。第3四半期に、欧州や中国の自動車向けピーブロックの需要が想定以上に拡大し、国内でもFPD保護材用途などが好調に推移した。

 通期の営業・経常利益は従来の減益予想から増益予想に転じた。第4四半期に緊急事態宣言再発出や原料価格上昇などの影響を保守的に見込んでいたが、出荷が想定以上に好調だった。なお米国子会社のシートフォーム事業撤退に伴う特別損失額(子会社整理損)は2億43百万円となった。欧州グループ会社における資金流出事案に関する損失額は未確定(最大損失見込額10億円)である。自動車部品用ピーブロックを中心に需要が回復基調であり、22年3月期も収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上げ一服の形となり、上方修正に対しても反応薄だったが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。4月19日の終値は1874円、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS90円58銭で算出)は約21倍、前期推定配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2729円87銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約589億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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