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買収提案でどうなる東芝
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●東芝が買収提案受ける
英投資ファンドCVC・キャピタル・パートナーズが、東芝に買収の提案をしていたことが分かった。買収額は2兆円規模になると見られており、実現すれば国内有数の規模となる。
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CVCは東芝に対し、1株5000円程度での買い取りを提案したと見られており、TOBでの買い付けを検討している。この報道を受けて、東芝の株価は3900円から4800円まで上昇した。
●苦境に立たされる東芝
東芝は前身の東京芝浦電気から続く、日本を代表する総合電機メーカーであり、パソコンや半導体、原子力事業などに選択と集中で成長、2000年代後半には過去最高の業績を収めた。
しかし、リーマンショック以降半導体需要が激減し、社運をかけて買収した米国の原子力関連企業WECは福島第1原発事故の影響で業績が急激に悪化するなど、順調だった東芝の業績は一気に悪化した。
これらの業績悪化を隠ぺいし、粉飾決算を行っていたことが2015年に発覚。2016年には経営危機に陥り、リストラを断行した。その後も不祥事の発覚は後を絶たず、旧村上ファンド系などの物言う株主(アクティビスト)の存在もあり、業績は回復途上にあるとはいえ、まだまだ前途多難である。
3月の臨時株主総会では、取締役会が反対したにもかかわらず、外部の専門家による調査を求める株主提案が可決されるなど、アクティビストとの対立は深刻となっている。
●実現するのか?
東芝は2021年1月に東証1部へ約3年半ぶりに復帰した。
現在は、総合家電メーカーからインフラサービスへの業態転換を図ろうとしているが、インフラ企業であることが、2020年5月から施行された改正外為法により、買収の妨げになる可能性がある。
加藤官房長官も、重要なインフラ事業を行う日本企業の買収は、外為法の外資規制対象になるとの認識を示しており、一筋縄ではいかない。
東芝としては物言う株主対策がネックとなっており、買収が実現すれば非公開になるため、アクティビストの影響を受けず迅速な経営判断ができるようになるというメリットがある。
ただ、今回の提案はあくまで初期提案であり、今後、他のファンドからの買収提案もあり得る。また事業分割を要求するような提案もあり得るため、今後の行方は慎重に見極める必要があるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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