NYの視点:FOMC議事要旨(3月分):ハト派姿勢を確認、早期の緩和策解消の兆候なし

2021年4月8日 07:34

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記事提供元:フィスコ


*07:34JST NYの視点:FOMC議事要旨(3月分):ハト派姿勢を確認、早期の緩和策解消の兆候なし
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月16-17日分)を公表した。FRBはこの会合で市場の予想通り、ゼロ金利や資産購入プログラムの据え置きを決定。議事要旨でも、経済や雇用が依然、「望ましい水準をかなり下回る水準」で、緩和縮小の条件を満たすまでには「程遠い」との考えを繰り返し、速やかに緩和縮小する兆候は全く見られなかった。

景気判断で、刺激策やワクチン普及で、いくらかの楽観的兆候に言及し、回復ペースは加速したと言及。累積需要が消費を押し上げる可能性を指摘するにとどまった。また、注目されていた長期金利の上昇に関しては、「利回りの上昇は経済見通しの改善を反映」と言及、金利上昇に対応する兆しも少しも見せなかった。FRBが当面緩和策を維持する可能性を再確認した。ただ、緩和策の長期化は、金融安定リスクにつながる。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月16-17日分)ポイント
◆経済
「著しい進展まで時間を要する」
「回復ペースは加速」
「累積需要が消費を押し上げる可能性」
「経済、雇用は望ましい水準をかなり下回る」
「パンデミックの不透明性で、経済の見通しリスクは下向き」
「刺激策やワクチン普及で、いくらかの楽観的兆候も」
「目標達成には程遠い」
「経済は長期目標達成には依然かなりの道のり」
「経済の道のりはウイルスの展開次第」
「公衆衛生上の危機は引き続き著しいリスク」
「住宅販売は力強い」

◆金融政策
「ガイダンスを度々修正する必要はない」
「QEを修正する場合は、かなり前もって伝達」
「パウエル議長はFOMC定例会合待たずに金利調整は可能と言及」

◆長期金利
「利回りの上昇は経済見通しの改善を反映」

◆インフレ
「インフレリスクは広範に均衡」

◆金融安定リスク
「2、3人のメンバーは緩和策が金融安定のリスクを引き上げることを懸念」《FA》

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