e-Taxで節税を 利用しない青色申告者、多くが控除の適用要件変更を理解せず

2021年2月24日 15:15

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 副業解禁により、確定申告が必要なサラリーマンも多いことだろう。またフリーランサーや資産運用益の申告者も増えてきているという。そこで確定申告だが、税務署の窓口へ行くよりもe-Tax(電子申告)による申告の方が節税になることを知っている人も多いだろう。

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 さらに令和2年から、「青色申告特別控除の適用要件」が変更となったため、e-Taxによるメリットは大きくなる。

 一方で、e-Taxの利用意向がない青色申告者のうち、34.2%が『今回の青色申告特別控除の要件変更を知らない』という調査結果が、弥生が行った「確定申告のデジタル化に関する意識調査」で分かった。『青色申告特別控除の要件変更は聞いているが、内容についてはよく分からない』も含めると、66.3%が変更内容について把握していなかった。

 コロナ渦で収入は減る中、社会保険や税への負担が重くのしかかる現在、少しでも節税して日々の生活費に当てていきたいのは誰しもが思うところだ。

 個人所得税に関しては、令和2年分の確定申告から基礎控除額の変更があった。年間所得が2,400万円以下の場合、それまで38万円だった基礎控除が10万円プラスの48万円となった。

 ただし、青色申告特別控除額は逆に65万円から55万円と減額されている。ここで利用したいのがe-Taxだ。e-Taxか電子帳簿保存(仕訳帳・総勘定元帳)による確定申告においては、従来同様、65万円の青色申告特別控除額が適用されるのだ。

 コロナ対策の非感染手段が推奨されていることから、感染拡大の予防となるオンライン確定申告が税優遇の対象となったわけだ。また会計ソフトを利用した電子帳簿保存は、税業務を適正化・簡素化させるデジタル化へ貢献すると、この申告方法も税優遇を受ける。

 e-Taxの利用メリットは税優遇の他にもある。

 ・自宅のパソコンから、24時間いつでも申告できる(作成ガイドラインで記入も簡単)
 ・添付書類の省略ができる
 ・還付のための手続きがシンプルになっている
 ・計算ミス、入力漏れはフォーマット上でしっかりチェックできる
 ・e-Tax対応の会計ソフトからのデータ出力で申告書の書類作成ができる

 などだ。

 ただし、e-Taxで申告するには、「ID・パスワード方式」と「マイナンバー方式」があり、マイナンバーカード方式の場合、パソコンを利用するには「ICカードリーダライタ」も必要となる。こういった準備が手間となり、e-Taxの利用をためらう人も少なくないという。

 だが、今後e-Taxは必須ツールとなり、マイナンバーカードも様々な場面で利用されるアイテムとなっていくのは間違いがないところだ。節税効果を考えるなら、この辺でe-Taxによる確定申告を実践しておくのは合理的な選択ではないだろうか。節税は資産運用の重要なファクターであることを認識し、積極的に利用するのは賢明な判断であろう。(記事:TO・記事一覧を見る

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